サンデー30号『名探偵コナン』FILE.1037「時の流れを…」感想・ネタバレ
2019年6月26日発売の少年サンデー30号は、『名探偵コナン』が掲載で『ゼロの日常』が休載です。
とび森青山先生の村 pic.twitter.com/LdXE1uViyR
— そら☆@すかい✩ぶるー (@sora_cona) 2019年6月24日
6月21日は、青山先生のお誕生日でしたね。
道端で青山先生とお会いできるなんて羨ましい…!
昴さんがHっていうのはどういうことなんでしょうか!?(笑)
ではここから、コナン本編のネタバレを含む感想です。
未読の方はご注意ください。
FILE.1037「時の流れを…」 感想・ネタバレ
前回の感想・あらすじはこちらです。
今週は予想外の展開でした!
まさか赤井一家の回想が入ってくるとは…!
赤井家に関する新情報が目白押しでしたので、この記事では赤井家中心に感想とまとめを書いていきたいと思います。
鑑定家殺人事件についてはほとんど触れていません。
先週、なぜボクが女だとわかったのかと世良ちゃんに問い詰められてしまった昴さん。
私は身長や肩幅で見分けたと言い訳するのではないか?と予想していましたが…。
昴さんの言い訳は、なんとオシリでした(笑)
『女性特有のヒップライン』とか言ってますけど…昴さん…(笑)
世良ちゃん、赤くなって戸惑っていた様子でしたが、なんとなくまんざらでもない表情でした。
彼女はよく胸のサイズが小さいことをからかわれていますから、オシリが女性らしいと言われるのは嬉しかったのかもしれないですね。
18~17年前の赤井一家の動き
さて今回は驚いたことに、18年前に赤井一家(メアリー、秀一、秀吉)が日本へ避難してきた時の回想が描かれていました。
15歳の赤井秀一と11歳の赤井秀吉、そして36歳の赤井メアリーが描かれています。
赤井務武は『友人の羽田さん』に頼まれ、羽田浩司の死の真相を探りに渡米。
しかしその事件にとんでもない相手がからんでいる事がわかり、危険だから日本へ避難する…とメアリーが語っています。
ですがこれ、考えてみればおかしな話です。
羽田浩司が殺害されたのは17年前。
赤井秀一が『あれから18年か…』と回想している時点で既に羽田浩司が亡くなっているのは、いったいどうしてでしょうか?
単行本92巻やSDB BLACK+についている年表でも
- 18年前 赤井務武が危険な相手を敵に回したため、家族は安全な日本へ
- 17年前 羽田浩司が死亡
ということになっています。
今回の回想では
羽田浩司が死亡
↓
務武、羽田浩司の死の真相を探るために渡米
↓
務武が危険な相手を敵に回したため、家族は安全な日本へ
という時系列になっていますから、明らかに矛盾しているんですよね。
また、さざ波シリーズで、メアリーは務武から受け取ったメールのことをこう話しています。
主人が死ぬ前…この安全な国に私たちを送った時に言った言葉を…
「いいか、この先、私はいないものと思え…どうやら私はとんでもない奴らを敵に回してしまったようだ」
っていうあのメールをね…
引用:名探偵コナン 第92巻『さざ波の邂逅』
今回の回想で赤井秀一が語っている
忘れたか秀吉…メールで父さんに言われた事を…
という言葉の『メール』が、さざ波シリーズでメアリーが話しているメールのことであるとしたら、不自然なのがメアリーの態度です。
さざ波の時点では、メアリーは務武のメールを読んで『務武は死んだ』と解釈しているようです。
しかし今回は
務武(あのひと)はとても強い人だから…その悪い人達を一網打尽にしてすぐ戻ってくるわ…
と語っています。
どうも務武が死んだとは思っていないようなんですよね。
息子たちをなだめるための言葉だったとしても、かなり楽観的。
お腹の中に女の子がいると話している際も笑顔を見せています。
さざ波シリーズ、年表、そして今回の回想…。
どう考えても矛盾が生じてしまうのですが…。
赤井家についてはかなり細かいところまで設定を作りこんであると青山先生がおっしゃっていたので、誤植や設定ミスとは考えにくいんですよね。
この矛盾を一気に解消できるロジックがどこかに仕込まれているのでしょうか?
ところで羽田浩司の死後に務武が渡米したとなると、羽田浩司殺害の現場には務武は居合わせていなかったということになります。
にもかかわらず『事件に直接関与した』という言い回しが使われているのも不思議です。
私の感覚だと、既に亡くなっている人物の死の真相を探るというのは『直接関与』ではない気がするんですよね。
務武はいったいどのように事件に関与していたのでしょうか。
また、日本に避難した時点で、メアリーのお腹の中には真純がいました。
秀一は真純が生まれる前に渡米していますから、秀一が日本にいたのはわずか数か月の間だったことがわかります。
メアリーと真純をバックアップしている『パパの友人』
メアリーと真純は日本に戻ってきてからホテル暮らしを続けています。
金銭面で務武の友人に世話になっていることを真純が証言していました。
昔から世話になってるパパの友人が金持ちなんだ
引用:名探偵コナン 第83巻『恋愛小説家』
この『金持ちの友人』というのは、羽田浩司の親であることがほぼ確定したと思われます。
回想でメアリーがはっきりと『お父さんの友人の羽田さん』と言っていますし、務武が羽田浩司の死の真相を探りに渡米したのは羽田に頼まれたからです。
羽田が務武を渡米させなければ、務武が危険に巻き込まれることも、メアリー達が日本に避難する必要もなかったはず。
務武の死に責任を感じた羽田が、残されたメアリー達をバックアップしているというのは説得力が高いですよね。
ホテル暮らしをしていることについて、真純は
ずっと日本に住んでる真ん中の兄の所に転がり込むって手もあったけど断られちゃって…
引用:名探偵コナン 第83巻『恋愛小説家』
とも語っています。
が、実際のところ、秀吉に『マンションに一緒に住まわせてくれ』と打診したとは思えないんですよね。
メアリーは秀吉に自分が少女になっていることを話していないでしょうから、秀吉の前に姿を現すことができません。
また、メアリーと真純はホテルを転々としています。
それはつまり彼女たちは身を隠す必要がある=一か所にとどまっていることが危険であることを表しています。
秀吉のところにとどまっていたら、メアリーも真純も、そして秀吉も危険にさらされることになりますから、『兄の所に転がり込もうとしたが断られた』というのは真純の嘘である可能性が高いですね。
秀吉には詳しい事情を話さず、最初から羽田を頼ってホテル暮らしの道を選択したのではないでしょうか。
秀吉が羽田家の養子になった経緯
なぜ秀吉が羽田家の養子になったのか、というのもうっすら見えてきました。
今回の回想の中で、メアリーと秀吉が興味深い会話をしています。
お父さんの友人の羽田さん覚えてる?彼の息子で浩司って人いたでしょ?
ああ!将棋ってゲームが上手なお兄さん!
この会話から
- 秀吉は浩司に会ったことがあるが、さほど親しかったわけではない
- 『将棋ってゲーム』という言い回しから、11歳時点で秀吉は将棋になじみがない
この2点がわかります。
日本に避難した赤井一家は、まず羽田家を頼ったと思われます。
羽田家で世話になっている間に、秀吉は将棋に興味を持って学び始めたのではないでしょうか。
羽田家には生前の羽田浩司が所有していた棋譜などがたくさん残されているでしょうし、羽田夫妻も将棋を打てる可能性があります。
めきめき将棋の腕を上げていき、秀吉は中学生でプロ棋士へ。
そして高校を卒業して羽田家の養子になっているわけですが…。
SDBによると、メアリーが秀吉を養子に出したのではなく、秀吉が望んで養子になった可能性が高いです。
Q:何でチュウキチだけ羽田家に養子に出されたんですか?
A:出されたんじゃなく、なったかも(笑)
引用:名探偵コナン 90+PLUS SDB(スーパーダイジェストブック) P151
この青山先生の答えだと、秀吉が自分から進んで養子になったと読み取れますよね。
既に故人とはいえ羽田浩司の義弟になりたかったのか、思う存分将棋に没頭できる羽田家の環境に身を置いていたかったのか…。
秀吉が羽田家の養子になりたがった理由は不明ですが、この選択はメアリーも賛成していたはず。
メアリーは秀吉の7冠達成を喜んでいましたからね。
秀一が父の死の真相を探るためにアメリカへ留学したりFBIに入っている間、ひたすら将棋に没頭していた秀吉…。
マイペースな赤井3兄弟の中でも、秀吉は特に自由なイメージがあります。
赤井秀一の年齢について
赤井秀一の年齢はこれまではっきりしませんでしたが、ようやく年齢がわかりそうなヒントが明かされました。
赤井秀一の年齢は
- 18年前の時点で15歳なので、現在33歳
- 秀吉と4歳差で、現在秀吉が28歳なので秀一は32歳
2通りの考え方ができますが…。
2人の誕生日によって、年齢差は微妙に変わってきますよね。
結局32か33かは断定できない状態です。
赤井一家は日本に着いてから宮野一家を尋ねたか
日本には、メアリーの妹一家である宮野一家が住んでいました。
メアリーが子どもたちを連れて日本に避難した後、宮野一家に接触した可能性はあるのでしょうか?
私は『否』だと思っています。
SDBによれば、烏丸がスポンサーを務める研究施設に宮野夫妻が入ったのが19年前のこと。
その施設に移るかどうか宮野夫妻が検討していたのは、エレーナが妊娠3ヶ月の頃でした。
92巻のさざ波の年表によると、志保は真純よりも早く生まれています。
今回の話の回想で、メアリーはお腹の中の子が女の子だと既にわかっている様子。
お腹の子の性別は妊娠5ヶ月以降にわかることが多いですから、日本に向かう時点でメアリーは妊娠5ヶ月以降だった可能性が高いです。
とすると志保はそれ以上、もしくは既に生まれていた可能性があります。
つまりメアリー達が日本に来た時点で、宮野一家はもう烏丸の研究施設に入っていた可能性が高いんですね。
仮にメアリーがエレーナに会っていたら、烏丸の研究施設に移ることを止めていたはずです。
君のお姉さんも少し胡散臭いって言ってたしね…
引用:名探偵コナン 第95巻『あの女性の記憶』
妹一家が胡散臭い研究施設に入ることを、メアリーがみすみす見逃すとは思えません。
メアリーがイギリスにいるうちに、宮野一家は研究施設に入ったと考えるのが自然です。
そもそも秀一が明美に会っていたとしたら、NOCとして組織に潜入する際にハニートラップは仕掛けませんよね。
明美が秀一のことを覚えていたら、ハニートラップは成立しませんので、リスクが高すぎます。
せっかく日本に避難したメアリーたちですが、宮野一家とは会うことができなかったのではないでしょうか。
『領域外の妹』の本当の意味
今回、コナンは
おいおいウソだろ!?
ととても驚いていました。
「領域外の妹」の本当の意味がわかったからですが…。
そのコマでコナンのバックに描かれているのは、MI6のロゴマーク。
なんとメアリーはイギリスの秘密情報部・MI6だったんですね!
領域→ territory、略してter
妹→sister
『領域外』なので、sisterからterを外してsis
MI6の正式名称はSecret Intelligence Service、略してSIS
まさしく「領域外の妹」とは、MI6を示す暗号だったわけですね。
言われてみれば納得…見事すぎる暗号でした。
メアリーは真純に、コナンに自分のことを「領域外の妹」と伝えるように指示を出していましたが…。
あれはつまりコナンが自分の正体を見抜けるかどうか試していたのではないでしょうか。
メアリーがMI6だったとなると、彼女の推理力や格闘術にも納得がいきますが…。
そんなメアリーにいったい誰がAPTX4869を飲ませたのか、という謎がますます深まりますね。
赤井秀一が真純に聞きたかったこと
今回のシリーズで、赤井秀一は妹に聞きたいことがあると言っていましたが…。
やはりメアリーのことでしたね。
世良ちゃんが哀ちゃんに薬のことを尋ねているのを逆手にとり、うまく誘導尋問でメアリーが生きていることを確認していました。
「時の流れを元に戻す」とはどういう意味ですか?
から始まる沖矢昴の一連のセリフから、沖矢はメアリーがAPTX4869で小さくなっていることも確信したかもしれません。
わかったところで、今後沖矢がどう動くのかと言う点が非常に気になります。
この「時の流れ」云々というセリフですが、これは他の登場人物も使う言い回しですよね。
たとえば哀ちゃんのセリフがこれ。
時の流れに人は逆らえないもの…
引用:名探偵コナン 第20巻『遠くからの眼』
板倉卓の日記に残されていたベルモットの言葉。
時の流れに逆らって…死者を蘇らそうとしているのだから…
引用:名探偵コナン 第37巻『白い雪…黒い影…』
哀とベルモットが同じような言い回しをしているのは、組織の中でAPTX4869が『時の流れに逆らう薬』と呼ばれていたとすれば合点がいきます。
しかし世良ちゃんが解毒薬のことを『時の流れを元に戻す例の薬』と言ったということは、彼女にとってもAPTX4869は『時の流れに逆らう薬』なんですよね。
世良ちゃんが直接組織のメンバーに接触していることは考えにくいですから、メアリーが組織の誰かからその言い回しを聞いたのでしょうか?
沖矢の言葉に驚く世良真純
これまた昴さんがうかつなのか、はたまたわざとなのか…。
昴さん、またまた失言です。
今のは50:50だ…
と赤井秀一の口癖を言ってしまい、案の定真純に『え?』と反応されてしまっています。
この『50:50』発言で、緋色シリーズではジョディに沖矢=赤井であることがバレたというのに…。
沖矢さん、懲りませんね。
真純は沖矢の発言に一旦は『え?』と反応しているものの、沖矢が兄・秀一であると感づいた様子はありません。
アンタには関係ない、とまで言っていますので、まさか沖矢が兄であるとは思っていないでしょう。
ただこの時の『え?』が彼女の中にしこりとして残っており、今後何らかのタイミングで『沖矢は兄・秀一なのではないか』と気が付くきっかけになる可能性はありますよね。
今後の沖矢正体バレの種がまかれたと言ったところでしょうか。
さいごに
FILE.1037は、沖矢さんのセクハラ発言あり、赤井家の18年前の回想あり、メアリーの正体判明があり…と、盛りだくさんの内容でした。
正直、鑑定家殺人事件に目がいかなくなってしまいましたね(笑)
そちらの事件は次号が解決編ですから、まあすっきり解決してくれることと思います。
が、赤井一家の謎については、今後の伏線として残ったままになりそうですね。
沖矢さんは世良ちゃんの追及から哀ちゃんを無事守り切ることができるのでしょうか。
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APTX4869は『時の流れに逆らう薬』っていうのはピスコのセリフ的にも言い得て妙で、試作品であり毒薬として使われている現在はまさに”出来損ないの名探偵”ですよね。
……まさか、ホームズみたいに一旦死んだけど、なかったことにする薬にでもするきでしょうかw(バリツ)
そして領域外の妹の真の意味!
SISTER – ter.(territory) = SIS =MI6 って考察は見たことありましたけど、ドンピシャっぽいですね。
シンプルなので納得はできつつ、いままで気づかなかったのも納得の盲点っぷり。
妹って表現もある意味誘導している感はありますが…w
ピスコが縮んだ志保を見て『素晴らしい!』って言ってたのが謎なんですよね。
幼児化を『ここまで進めていた』ということは、最終目標はどこにあったんだろうと…。
宮野夫妻とも親しかったようですし、あっさり殺されてしまったのが悔やまれます。
というか宮野夫妻は悪人ではなかったということが判明してますが、思い切り悪人のピスコと親しかったというのはどういうことなんでしょう(笑)
領域外の妹の意味、恥ずかしながらまったく気づいていませんでした!
『正しい意味での妹ではない』ということで、真純より小さいけれど本当の妹ではないアピールかと思っていました…。
昴さんが領域・領分を『エリア』と連呼していたのが『テリトリー』の目くらましになってたような気もします(笑)