サンデー40号『名探偵コナン』FILE.1042「思い出のジンギスカン」感想・ネタバレ

サンデー40号『名探偵コナン』FILE.1042「思い出のジンギスカン」感想・ネタバレ

2019年9月4日発売の少年サンデー40号は、『名探偵コナン』が掲載で『ゼロの日常』が休載です。

 


ダイヤのセリフは、灰原哀ちゃん主役の新EDのことですね。

 

 

ではここから、コナン本編のネタバレを含む感想です。

未読の方はご注意ください。

 

 

FILE.1042「思い出のジンギスカン」感想

今エピソードは関西組のラブコメが描かれるほっこりエピソードだとばかり思っていたので、最後の最後で爆弾が落とされてひっくり返りました。

 

大岡家に暗号の解読を依頼してきたのは、なんと羽田家だったんですね…!

ということで、この記事では羽田家のことについて尺を割きたいので、他の感想については軽めにしておきます。

 

犯人は四男でした

四兄弟の長男を殺害した犯人は、四男でした。

金属アレルギー、眼鏡、そしてジンギスカンの鍋が宝物だったという読みは当たっていたのですが…。

四男が偽者で、見抜くヒントは福耳だった…という点には気づきませんでした。

悔しい~!

 

本物の四男と友人だった犯人は、四男の真似をして手のひらに火傷の跡をつけたんですね。

宝物の分け前がほしさに、亡くなった本物の四男になりすまして第4倉庫に来たところ、長男に偽者だと見破られてしまい…。

もみあっているうちに転落させて殺してしまったんですね。

これ長男はまったく悪くないので、本当に気の毒です…。

 

 

空気を読んだコナン

平次よりも先に真相にたどり着いたコナン。

蘭もオレを応援してくれてるみてーだし…

なんて勘違いをしていたのでハラハラしていましたが…。

蘭ちゃんの顔が『幼い頃、新一にドーナツを譲った時の顔』に似ていることに気づき、平次より先に真相を解き明かすのをやめました。

 

関西組のラブコメエピソードなのに、まさかの新一と蘭の幼少期の思い出が出てきましたね。

可愛くって微笑ましかったです。

 

コナンがちゃんと空気が読める子でよかった~!

そしてこれで修学旅行の時の借りを返したことになってしまったー(笑)

平次が修学旅行の時にしてくれたことに比べれば、まだまだ恩を返し足りないような気がしますが…。

 

どうしてもくっつかない平次と和葉

かっこよく事件を解決した平次。

和葉に告白しようとするも、伊織の差し金で和葉はラブリースポットに写真撮影に行ってしまい、告白はできずじまい…というオチでした(笑)

 

いかにもお膳立てされたシチュエーションで告白するのは平次らしくないなと思っていたので、告白が失敗して『やっぱりな』という感じです(笑)

 

平次が勝った時、紅葉はご機嫌で

ほんなら伊織…手筈通りに…

と言っていたので、平次が負けた時は和葉を平次から引き離すという作戦は、あらかじめ相談してあったということですよね。

 

本当は紅葉にとっては平次が負けた方が都合がよかったわけですが…。

平次の推理力の高さを認めており、平次が勝つ可能性も充分あると見込んで作戦を練っていたわけで。

和葉と伊織の方が一枚上手でしたね。

 

 

蘭・和葉・紅葉の3人で写真撮影している姿、とても可愛かったです。

彼女たちを見下ろしているコナンと平次の表情、恋する男の子って感じがいいですね。

 

勇気を出して告白したのに、気づいたら相手がいなかった…というパターンは、アニメ第652~655話『毒と幻のデザイン』のラストを踏襲しているのでしょうか?

あの時は和葉が

実はアタシも…前からアンタの事が…めっちゃ好っきゃねん!

と勇気を振り絞ったのに、平次がコナンをからかいに行ってしまっていて空振りに終わったんですよね。

 

今回は紅葉と伊織の介入があったとはいえ、自分の行いが戻ってきた感じの平次なのでした…。

 

 

資産家とは羽田家のことだった

今回は最後の1ページにすべて持って行かれた気がします。

4兄弟の母親が家政婦をやっていたのはどこのお屋敷だったのかと気にするコナンに、平次は『伊織に聞いた』と爆弾を落としてくれました。

 

将棋の六冠王!羽田秀吉名人の実家の…羽田家や!

 

ここで羽田家が出てくるか!とびっくりしてしまいました。

 

平次は続けて

この事はまだ世間に知られてへんみたいやけどな…

とも言っています。

 

羽田家は資産家としてそれなりに有名な家系だが、秀吉の実家(本当は養子ですが…)であることは知られていないという意味ですよね。

 

羽田家が秀吉の実家ということは、羽田浩司も大金持ちの御曹司だったということ。

この事実を踏まえて過去のエピソードや今エピソードを読み返すと、新たな考察材料がザクザク出てきますね。

 

 

羽田浩司が殺害された理由

羽田浩司は17年前に、アメリカのホテルで何者かに襲われて死亡しました。

同じホテルの別の部屋で、アメリカの資産家であるアマンダ・ヒューズも殺害されています。

 

羽田浩司が殺害された理由について、灰原哀がこう語っています。

組織にとって邪魔になったその資産家が殺される所を偶然目撃してしまったとかなんじゃない?

引用:名探偵コナン 第89巻『握られたハサミ』

 

これはあくまで灰原の予想なのですが、読者に対してのミスリードも兼ねていた発言と判断してよさそうです。

 

アマンダが資産家だったため、組織が本当に殺したかったのはアマンダで羽田浩司はついでだったと思わせたかったわけですね。

しかし実際は羽田浩司も資産家の御曹司であることから、アマンダと羽田浩司のどちらが真のターゲットだったのか一気にわからなくなりました。

 

羽田浩司が大金持ちの御曹司だったとすると、彼が『CARASUMA』のダイイングメッセージを残せたことも腑に落ちます。

資産家同士のつながりで、羽田家は烏丸家や烏丸グループと何らかの縁があった可能性があります。

自分を殺そうとしているのが烏丸の関係者だとわかったから、ダイイングメッセージを残せたんですね。

 

アマンダの巻き添えで殺されたという線が、一気に薄くなりました。

 

 

なぜ羽田家は暗号解読を大岡家に頼んだのか

大岡家に暗号解読を頼んだのが羽田家(=羽田浩司の父である羽田康晴)だったとすると、そもそも今エピソードの発端に大きな疑問があります。

 

なぜ義理の息子である秀吉に暗号解読を頼まなかったのでしょうか?

 

秀吉が優秀な頭脳の持ち主であることは、義理の親ならば当然知っているはず。

羽田家のお屋敷は杯戸町にありますから、京都の大岡家に頼むよりも米花町に住んでいる秀吉に暗号解読を頼んだ方がよほど手っ取り早かったはずです。

 

つまり、羽田康晴が大岡家に暗号解読を頼んだのには、それなりの理由があったはずなんです。

 

秀吉が将棋で忙しそうだから気を遣った…という理由でなければ、考えられる理由は『工藤新一』かなと思います。

 

羽田浩司と工藤新一は、APTX4869を飲まされた人物のリストに名前が載っています。

そして修学旅行編で、工藤新一の生存説が日本中を駆け巡りました。

噂の発端となった人物が『あれは自分の願望が作り出した幻覚だったかも』と証言を一転させたことで事態は収束しましたが…。

 

工藤新一はAPTX4869を飲まされたのに生きているとわかれば、息子の死の真相を解き明かすために羽田康晴が接触を試みてもおかしくありません。

 

修学旅行編で、新一は平次と一緒にいるところを写真に撮られています。

大岡家が平次のことを『紅葉の将来の夫』として羽田家との間で話題に出していたとしたら

 

服部平次と工藤新一は繫がっている

大岡紅葉は服部平次と繫がっている

大岡紅葉と服部平次を経由すれば工藤新一の情報が得られるのでは?

という発想に至った可能性は充分考えられます。

 

 

羽田康晴に情報を提供した人間の存在

羽田康晴が工藤新一に興味を持つには

  • 誰かから羽田浩司と工藤新一が同じ薬を飲んだことを聞かされた
  • APTX4869の投与者リストを見せられた

このどちらかの条件を満たしている必要があります。

 

となると、世良真純・メアリー・そして若狭留美のいずれかと羽田家が繫がっている可能性が高いです。

 

 

世良真純とメアリーは、『意外な結果の恋愛小説』や『堆黒盆編』の描写により、羽田康晴に金銭的な援助を受けていることがほぼ確定しています。

羽田康晴が赤井務武に羽田浩司の死の真相を調べてほしいと依頼

赤井務武、羽田の頼みを引き受け渡米するが危険に巻き込まれ失踪

おそらく責任を感じた羽田康晴が残された赤井一家をバックアップ

という流れです。

 

17年前の事件について、羽田康晴とメアリー・真純の間で話す機会があったのかもしれません。

 

 

また、私は以下の理由で若狭留美はRUMではないと考えています。

  • (かつて組織にいた可能性はあるが)現在は組織に所属していない
  • 羽田浩司には好意を抱いていたか、特別な関係だった
  • 羽田浩司の仇をとるために行動している節がある
  • 工藤新一について調査しており、コナン=新一であることに気づいている

 

羽田浩司を殺されて組織に恨みを抱いているとしたら、羽田康晴に情報を提供した可能性があってもおかしくはないかなと思います。

 

名探偵コナンの若狭留美はラム?浅香?登場回まとめも

 

 

17年前の事件についてネットにアップしている人物は誰なのか

17年前の事件と言えば、こんな描写もありました。

阿笠:それにしても こんな情報よく見つけられたのォ…

コナン:誰かが定期的にネットにアップしてるみてーだぜ?削除されるのをお構いなしに…。まるで誰かこの謎を解いてくれって…言わんばかりにな…

引用:名探偵コナン 第89巻『握られたハサミ』

 

事件のことを定期的にネットにアップしている人物とは、羽田康晴のことではないでしょうか。

 

羽田康晴が新一とコンタクトを取るため大岡家に暗号を依頼したとすれば、羽田康晴は17年前の事件の解明を今でも諦めていないということ。

しかし特定の誰かに事態の解明を依頼すれば、赤井務武の二の舞になってしまいます。

 

そのため、特定の誰かに頼むのではなく、ネットに事件のことをアップして解決してくれる人物が現れるのを待っている…。

そんな風に解釈できるかなと思います。

 

ちなみにアップされた情報を削除しているのは誰なのか?というと…。

引用:名探偵コナン 第74巻『歩美の痕跡』

 

世良真純だったりするのでは…?と思ったり…。

 

これは『博士の動画サイト』のラストシーン。

この時に世良が削除しているのは哀が映り込んだ博士の動画ですが、それにしてはセリフが意味深なんですよね。

何らかの伏線ではないかと思っていたのですが、羽田浩司の件につながるのではないでしょうか。

 

データだとすぐに消せる=データでないものは消せない、ということ。

ネットにアップされたデータはすぐに消せるけれど、人の記憶は簡単に消すことはできないから、何度も繰り返しデータがアップされてしまう…という意味ではないかと思います。

 

ネットに17年前の事件のことをアップしているのが羽田康晴だとしたら、その事実を組織に知られた時点で羽田康晴も殺されてしまう恐れがあります。

真純は羽田康晴が危険に巻き込まれるのを防ぐため、(そして羽田康晴がデータをアップするのをやめないので)定期的にアップされるデータを削除している…と考えられます。

 

 

伊織のセリフに残された伏線

今回のエピソードは解決編を迎えたわけですが、回収されていない伏線があります。

そのひとつが伊織のセリフです。

 

平次:けどアンタら何者や?

伊織:まぁそれは…いずれ…

引用:名探偵コナン FILE.1040『フットボウル好きの母より』

 

車で移動することになると想定して、前もって車を用意していた伊織。

たったそれだけのことで『アンタら何者や?』と平次が尋ねるのも不思議な気がするのですが…。

伊織が『いずれ』と答えているということは、『何者なのか』に対する答えを持ち合わせているということですよね。

 

大岡家は単なる資産家ではない?

伊織は単なる執事ではない?

何か秘密が隠されている気がします。

 

いずれにしろ、羽田家と大岡家につながりがあるということは、羽田浩司に関する情報が紅葉や伊織から舞い込んでくる可能性が出てきましたね。

 

紅葉はともかくとして、伊織には何か隠し事があるような気がしてなりません。

そしていまだに姿を現していない羽田夫妻についても、今後の動向が楽しみです。

 

 

次回予告

今週号のサンデーは第40号でしたが…。

次週41号から51号まで、名探偵コナンは休載です。

なんと11週連続で休載!

 

11月27日発売の52号から連載再開です。

 

なお、次週の41号は『ゼロの日常』も休載となっています。

 

42号以降、『ゼロの日常』が10週連続で掲載されると考えていいのでしょうか…?

そろそろ…そろそろ警察学校編を…お願いしたいのですけれども…。

 

コナンは11週休載とはいえ、時期的に来年の劇場版製作が動き出す頃ですよね。

休載している間も青山先生は映画関係のお仕事に忙殺されるのだろうなと思うと、本当に頭が下がります。

長いことコナン本編が読めなくなるのは残念ですが、その分来年の劇場版への期待が高まりますね!