サンデー46号『コナン警察学校編』CASE.3「戮力協心」感想・考察(ネタバレ有)

サンデー46号『コナン警察学校編』CASE.3「戮力協心」感想・考察(ネタバレ有)

2019年10月16日発売の少年サンデー46号は、新井先生が描く『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』第3話が掲載されています。

 


帽子のかぶり方にも個性が出ている…!

 

以下、ネタバレを含む『警察学校編』の感想・考察です。

未読の方はご注意ください。

 

 

CASE.3「戮力協心」感想・考察

今回のサブタイトル「戮力協心(りくりょくきょうしん)」は、全員の力を結集し、一致協力して任務にあたること。

まさに今回のお話そのままのサブタイトルですね。

警察学校編はサブタイトルが四字熟語縛りなんですよね…ちょっと今回みたいなのは漢字の変換が面倒です(笑)

 

さて前話のラストで、鬼塚教官が命綱を首に引っ掛けた状態で宙づりになってしまいました。

危機的状況でも、降谷たち5人だけは非常に冷静です。

 

  • 松田は拳銃
  • 萩原は銃弾
  • 降谷は射撃
  • 伊達は土台
  • 諸伏は土台の上のつっかえ棒

と、とっさに各々が自分の役割を判断しています。

5人が自分の力を最大に生かせる分野をそれぞれ把握しており、瞬時に最適な選択ができるというのがすごいですよね。

指揮を執る伊達のリーダーシップも見事です。

 

 

鬼塚教官が少しでも楽になるよう、諸伏と伊達が気絶している作業員を支えています。

その間に松田が分解した拳銃を組み立てるわけですが…。

どのくらい時間がかかるのかと降谷に聞かれて、松田はこう答えています。

そうだなぁ…大体…1R(ワンラウンド)だ…

ボクシングの1ラウンドは3分です。

 

『揺れる警視庁 1200万人の人質』で、松田は

フン…この程度の仕掛け、3分もありゃ…

引用:名探偵コナン 第36巻『帰らざる刑事』

と言っています。

アニメで萩原に『3分もあれば~』と真似されるくらいなので、3分というのは松田の口癖ですよね。

警察学校編で松田にボクサーの父がいるという設定をつけ、1ラウンド=3分が染みついているという形で『揺れる警視庁~』との整合性を持たせたわけですね。

さすが青山先生、この辺りのバランスが素晴らしいです。

 

そんなにかかるのかと言う降谷に、「精度が必要になる」と言って慎重に組み立てを進める松田。

ここで『純黒の悪夢』の

焦りこそ最大のトラップだったな…松田…

というセリフを思い出したのですが…。

この後、降谷の方が松田に『焦る事はない』と声をかけるシーンが入ってきたので、ちょっと「あれ?」と思ってしまいました(笑)

 

 

一方、返却されていない銃弾を探す役割を担ったのは萩原です。

ここの萩原、ものすごいファインプレーですよね。

誰かが銃弾を隠し持っていることは間違いない

「弾がこんなところに落ちている」とハッタリをかます

動揺している人物=弾を持っている人物を探し出す

現在の安室透に通じるようなハッタリのかまし方です。

やはり降谷は萩原の性格・言動を安室透に取り入れているのかな、と思えますね。

怪しい動きを見逃さず、弾を持っていた人物をきっちり探し出しているのが見事です。

 

萩原から弾を、松田から完璧に組み立てた銃弾を受け取り、鬼塚教官の首に巻き付いた命綱を撃ちぬく降谷!

教官と作業員を、伊達と諸伏がそれぞれ受け止めているのもさすがの反射神経でした。

 

 

松田が警察官を目指した理由

無事鬼塚教官を助け、ラストは降谷と松田の会話シーン。

父親の夢を誤認逮捕で潰したのに、シレっとしている警察が許せないと語る松田。

そんな松田が警察官になった理由は、まさかの『警視総監をブン殴りたいから』でした(笑)

警視総監って白馬くんのお父さんなんですけど…(笑)

 

それを聞いて涙が出るほど笑っている降谷がものすごく可愛いんですが、降谷の言う通り警視総監とお近づきになってブン殴るって、相当大変ですよね。

『揺れる警視庁』で、松田が爆発物処理班から捜査一課に異動になった時、目暮警部は

彼は前に色々あって上から直々に頼まれた男なんだ

引用:名探偵コナン 第36巻『帰らざる刑事』

と言っています。

この『上』がどの程度の階級の人かは不明ですが、松田は『上』から目をかけられていたことは間違いないんですよね。

生きてさえいれば、本当に警視総監をブン殴るところまでいけたのかもしれないですね。

 

 

松田が萩原と降谷に寄せた信頼

3話にわたる松田編で、松田が萩原に信頼を寄せていること、そして降谷に対しても信頼を寄せていったことが綺麗に描かれていたなと思います。

 

まずは萩原。

拳銃を組み立てながら、松田は

今、萩原が見つけて来るであろう弾丸を込めて…

と言っていました。

萩原なら必ず弾丸を見つけてくるはず、という信頼が見て取れます。

 

 

また、降谷に対する呼び方がどんどん変化していってるのが細かいんですよね。

1話の最初では『パツキン野郎』だったのが…。

3話では『パツキン大先生』になり、拳銃を託す時には『零(ゼロ)』になりました。

犬猿の仲?と思えるようなスタートから、お互いを信頼し合うようになる流れは本当に熱かったです。

 

 

萩原の優れた洞察力

松田編で唯一重い過去が描かれていない萩原。

ですが彼、地味~にものすごく重要な役割を果たしていました。

 

弾を見つけ出した洞察力とハッタリは言わずもがなですが、降谷と松田が信頼しあうようになったきっかけを作ったのも萩原なんですね。

萩原が諸伏に松田の父のことを話し、それを聞いた諸伏が降谷に話し、降谷が松田本人に話を振って、松田は降谷に警察官になった理由を話してくれたわけです。

 

松田は

萩の奴だな?オシャベリめ…

なんて言っていましたが、いくら萩原でも松田親子のデリケートな話題を誰かれ構わず話すとは思えません。

 

萩原は

  • 降谷なら松田と親しくなれそうだし、松田が警察官になった理由を聞き出せそう
  • 諸伏に話しておけば、自動的に降谷にも伝わりそう

という2点を考えた上で、諸伏に松田のことを話したのではないかな…と思います。

 

 

降谷が警察官を目指した理由

しれっとすごいことが描かれていましたが…降谷が警察官を目指した理由は『エレーナ先生を見つける為』でした!

まさか警察学校編でもエレーナが登場するとは思いませんでしたし、警察官を目指した理由として名前が挙がったこともびっくりです。

 

エレーナ(宮野一家)が降谷の前から姿を消したのは、降谷がまだ幼い頃。

エレーナは降谷少年に

先生…遠くに行っちゃうから…バイバイだね…零君…

引用:名探偵コナン 第84巻『ゼロ』

と、きちんと別れを告げています。

このお別れの仕方で、エレーナが姿を消したことに事件性を感じるとは思えないんですよね…。

宮野夫妻が烏丸グループがスポンサーの研究所に入ったことや、犯罪組織に関わっていたことを、警察官になる前の一般人である降谷少年が調べられたとも思えません。

 

また、エレーナを探すために警察官になったなら、『ゼロの執行人』で描かれた彼の正義と若干の食い違いを感じます。

 

あくまでもエレーナは警察官を目指すきっかけのひとつであり、最終目的ではないと思うんですよね。

狂信的とも言えるほどに国を守ろうとする降谷の正義感は、エレーナ先生とはまた別の部分に理由があるような気がします。

 

エレーナを見つけるために警察官を目指したという降谷ですが…。

公安になって潜入した犯罪組織で、彼女が怪しげな薬の開発に関わっており、しかも既に亡くなっていたことを知ったわけですよね。

漆黒の特急(ミステリートレイン)』で、キッドが変装した志保に

さすがヘル・エンジェルの娘さんだ…よく似てらっしゃる…

引用:名探偵コナン 第78巻『ミステリートレイン〔排煙〕』

と言っている降谷ですが、エレーナへの想いを長年大切にし続けていたと考えると、とんでもなく重いセリフですよね…。

 

 

次号のサンデー

次号47号のサンデーは

  • 名探偵コナン
  • 名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story
  • 名探偵コナン ゼロの日常

の3本すべて休載です。

 

次に警察学校編がいつ掲載されるのか、次が誰編なのかはまだわからないんですね。

48号にはゼロの日常が載るのでしょうか…?

 

コナンの掲載はありませんが、合計3000名にプレゼントのクリスマスカード2019の詳細が掲載されるようです。

青山先生と新井先生のクリスマスカードもありますよ!

新井先生のクリスマスカードはカラー版をWEBサンデーで見ることができます(小さいですが…)

 

公式サイト
WEBサンデー 次号のサンデー