名探偵コナン・アニメ984話『キッドVS高明 狙われた唇(後編)』感想・ネタバレあり

名探偵コナン・アニメ984話『キッドVS高明 狙われた唇(後編)』感想・ネタバレあり

2020年10月10日放送のアニメ「名探偵コナン」は、原作回の後編でした!

 

フェアリーリップ回、いよいよクライマックスです。

 

今回の後編に登場するキャラクターは

  • 諸伏景光:「裏切りのステージ」以来 約3年2ヶ月ぶり
  • 伊達航:「命を賭けた恋愛中継」以来 約7年9ヶ月ぶり
  • 松田陣平:「古き傷跡と刑事の魂」以来 約11年4ヶ月ぶり
  • 萩原研二:「揺れる警視庁 1200万人の人質」以来 約17年9ヶ月ぶり

の登場となります。

(ただし景光以外はセリフなしです)

 

 

それでは、ここから感想です。

この先ネタバレが含まれますので、ご注意ください。

 




第984話『キッドVS高明 狙われた唇(後編)』感想

このフェアリーリップ回は、キッド&平次のコメディパートと諸伏兄弟のシリアスパートの温度差がすごくてメンタルがジェットコースターでした。

後編はアニメ独自の演出が結構増えていて、原作よりもさらに胸を打つ仕上がりになっていたと思います。

 

 

『妖精の唇』の行方

前回、氷の中にたくさんの指輪を出現させたキッド。

諸伏警部がフローラルアイスパフォーマンスだと見抜いて説明しますが、声がつくとますます諸伏警部の優秀さが際立ちますね。

 

 

それにしても、2人のどちらかがキッドだと疑われ、中森警部に

身ぐるみ剥いで徹底的に調べてやるから覚悟しろ

と言われてしまう平次と和葉(に変装したキッド)。

平次にくっついて助けを求める和葉もといキッド、悪質です(笑)

それにまんまと引っ掛かってしまう平次~!チョロい~!

 

この辺の和葉、ちょいちょいキッドの素の表情が出ていて(笑)悪い顔してますねえ…。

原作よりもさらに強調された演出です。

 

 

もう指輪は盗られてしまったから…と、冷房を切って氷を解かすことにした一同。

あの次郎吉に

あんたがそう言うのなら…

と言わしめる諸伏警部。

次郎吉にすっかり信頼されているし、さすがのカッコよさ・頼もしさです。

この時点でもう諸伏警部はキッドが和葉に変装していることも、キッドの本当の狙いも見抜いているわけですが…。

 

 

平次と和葉がトイレに向かったタイミングで、諸伏警部宛に大和警部から電話がかかってきました!

諸伏警部から『キッドを捕まえた』という連絡が来るのを待って、家に帰らずにいた県警本部の皆さん…。

ここも原作よりも刑事さんたちの出番が増えてて、諸伏警部の人望が見て取れるようで微笑ましいです。

 

 

大和警部が

けどお前、東京に知り合いいたか?

と言った後、上原刑事が

いたんじゃなかった?警視庁に入った弟さんが…

と言っていましたが…。

 

原作ではさらに

ご両親が亡くなったせいで東京の親戚に引き取られたっていう…

というセリフが続いているんですよね。

どうしてアニメでここ切ったの!?

 

 

兄弟なのに兄は長野、弟は東京で育った理由がわかるのは、このセリフしかないんですが…。

どうして…どうして…。

この回では兄弟が別々に育った理由を説明する必要性はないと判断されたのでしょうか…。

 

 

諸伏警部、原作ではずっと展示室で電話をしていたような描写でしたが…。

アニメでは電話をしながら歩いて、人気のないところに移動していってるんですね。

 

そして

今頃…一体どこで…何をやっているのやら…

というセリフ。

 

原作では上半身のアップでしたが、アニメでは全身が映る引きのカットに変更。

しかも薄暗い場所で電話していることにして、影で諸伏警部の表情が見えないようにしているんですね。

この切ない演出…!

もうすでにここで涙を誘います。

 

 

今夜はこの博物館に泊めてもらおう…と言いだす和葉(キッド)。

平次と和葉が次郎吉に頼みに行ったのを見送るコナンと蘭と小五郎ですが…。

ここでコナンが、和葉はキッドの変装であることを暴露します。

ここのコナンくんの表情がいいですよね(笑)

 

 

仮眠するための部屋を提供してもらった平次と和葉。

平次をからかうキッドですが、平次に腕をつかまれて壁際に追い詰められた挙句に壁ドンされます!

くるっと壁際に追いやられる演出!

そして壁ドンは1カメ2カメ3カメと切り替えて3連発(笑)

ちょっとこのシーンに力入りすぎじゃないですか!?

 

もうダメです…このシーンは面白すぎてダメです…。

平次がいたって真剣なのと、必死なキッドの落差が面白すぎます(笑)

 

 

危うく平次に唇を奪われそうだったキッドですが、慌てて部屋に入ってきた蘭ちゃんたちのおかげで事なきを得ました…!

キッドは蘭ちゃんに感謝しようね……ギリギリ間に合ってくれてよかったね…。

 

 

さて4時間後。

みんなが仮眠している部屋をこっそり抜け出したキッド。

コンタクトを落としたと偽って氷に近づき、『妖精の唇』をゲット…というところで、諸伏警部登場ですー!

 

いや本当に諸伏警部は優秀ですね…!

今回最大の見せ場は諸伏警部が持っていってます。

 

変装に気づいていたのね…と言われて

もちろん…一人称が「アタシ」から「ウチ」に変わっていましたし…

と答えた諸伏警部ですが…。

 

 

諸伏警部と和葉は今回が初対面なので、諸伏警部が和葉の一人称を聞いたのは

  • またアタシの口元ガン見してるー!!
  • ほんならアタシもおって加勢したるわ!

この2つのセリフだけなんですよね。

これだけでしっかり和葉の一人称を把握しちゃうんだから、すごい洞察力です。

 

 

皆さんもお気づきになってましたよね?

と、気づいて当然とばかりに聞いちゃうところも好きです(笑)

圧を感じる。

諸伏警部以外はコナンくんしか気づいてなかったわけですけど…。

 

 

宝石ブローカーの嘘を暴く平次と、萌奈さんにフェアリーリップを返しに行くキッド。

ちゃんとカッコいいシーンも用意されていて、なんだか安心します(笑)

4時間前に危うくキスしそうになってた2人ですけど…。

 

 

フェアリーリップは無事萌奈さんのところに戻ってハッピーエンドでした!

 

 

伊達航の悲劇

さて、エンディング後のCパート。

佐藤刑事と高木刑事が諸伏警部に封筒を渡すシーンが迫ってまいりました。

 

 

佐藤刑事が

  • 伊達さんの死後、伊達さんのロッカーの中身は放っておかれていたこと
  • 封筒のメモ書きの文字がにじんで読みにくかったこと
  • 伊達さんのロッカーには警察学校時代の写真や物が詰まっていたこと
  • 松田たちが佐藤刑事の1つ上の代で、ヤンチャしまくっていたこと

などの事実を明かしています。

ここ、すごい短時間なのにめちゃめちゃ情報量が多いんですよね。

 

 

そしてセリフなしとはいえ、降谷・松田・萩原・伊達・諸伏の警察学校組の姿が描かれましたー!

2年前のエンディングテーマ『さだめ』でも描かれたとはいえ、本編への登場は(降谷以外は)本当に久しぶり。

萩原にいたっては、初登場の『揺れる警視庁 1200万人の人質』以来17年9か月ぶりの登場です。

感無量ですね…!

 

 

封筒のメモ書きが滲んでいた理由は、本編では書かれていませんが…。

『どうぶつの森』で、青山先生が

ジがにじんでたのは ダテのナミダ

と明かしています。

 

 

伊達航は亡くなったのが4人の中で最も遅いので…。

  • 萩原・松田の死を知る
  • 音信不通になった降谷(と諸伏)の身を案じる
  • 降谷から諸伏の遺品が送られてきて涙する
  • 諸伏警部に封筒を送る前に交通事故死
  • 婚約者のナタリーも伊達の後を追って自殺

と、なかなかの地獄を見ている悲劇の人なんですよね。

 

ロッカーの中に警察学校時代の写真や物を詰め込んでいたのは、亡き友人たちのことを吹っ切ることができなかったという伊達の心情の表れなのかな…と思ってしまいます。

何しろ萩原が亡くなったのは、警察学校卒業後まもなくのことなので…。

 

 

諸伏兄弟と降谷零

高木刑事と佐藤刑事から、封筒を受け取った諸伏警部。

 

封筒の中身のスマホを見る諸伏警部ですが…。

穴の内側の黒ずんだ染みと、裏側に刻まれた「H」の文字を見ただけで、それが景光の遺品だと言うことを見抜いてしまいました。

 

景光が生前スマホに「H」の文字を刻んでいたわけがないので、これは伊達に送る前に降谷が刻んだものですよね。

 

 

人生、死あり…修短は命なり…

という諸伏警部のセリフ。

落ち着いたトーンではあるのですが、押し殺した悲しみが伝わって来て震えてしまいました。

声優の速水奨さんの演技がすごいですね…!

 

 

原作ではこのシーン、とにかく諸伏警部は終始落ち着いていて冷静に現実を受け止めている印象だったのですが。

アニメだと、速水さんの声のおかげで『悲しみを押し殺している』感じが出ていて、素晴らしく切ないシーンになっていたと思います。

 

 

ところで景光のスマホ、安室さんとお揃いでしたね…?

一部が欠けたスペードのマークが入っていました。

原作では描かれていなかったと思うのですが…。

 

 

諸伏警部が景光から送られてきた写真と手紙、そして手紙が入っていた封筒を回想するシーン。

原作では諸伏警部の

そうだよな?景光…

はモノローグだったのですが。

 

アニメでは『景光』は口から出たセリフになっていましたね。

知らないうちに亡くなっていた弟のことを思い、つい名前が口をついたという悲しみの発露のように思えます。

しかし「景光」と言ってしまったことで、高木刑事と佐藤刑事に弟の名前が知られてしまったんですけど…。

そこは今後原作に影響してこないのでしょうか。

 

 

警視庁を後にする諸伏警部。

別れ際、原作では高木刑事に深々と頭を下げる諸伏警部ですが…。

アニメでは、諸伏警部は軽めの会釈。

高木刑事は諸伏警部よりも深く頭を下げてますね。

高木刑事の礼儀正しさ(年齢的なものもあるのかな)を強調した演出です。

 

 

高木刑事の

じゃあ送り主がわかる事があればまた連絡しますね…

というセリフ、アニメではカットされてるんですね。

これも今後のフラグだと思っていたんですが…。

 

 

そしていよいよ涙を誘う、諸伏警部による幼少期景光の回想です。

高明兄ちゃん!ボク東京で友達ができたよ!

屈託のない笑顔のちび景光…!そして一緒にいるゼロ…!

もう本当に可愛いです。

可愛いんですが、泣きますよね、このシーンは…。

 

 

ラストで諸伏警部が持っている封筒に、やや不自然に影がかかっています。

差出人の「0」に対して斜めになるように影がかかっているのですが…。

これは佐藤刑事が言っていた「丸印がついているだけ」というセリフを受けて、丸印じゃなくてゼロだとわからせるためでしょうか…?

ちょっと面白い演出ですね。

 

 

ちなみに幼少期景光の声優さんは、金元寿子さん。

スマイルプリキュアのキュアピースなどでお馴染みです。

幼少期の降谷零はキュアレモネードの伊瀬茉莉也さんなので、奇しくも黄色プリキュアコンビなんですね。

 

幼少期の降谷零と諸伏景光、ぜひまた出てきてほしいところです。

雪山編では中学生になった2人が登場しますが、中学生ならさすがに声変わりしてますよね。

 

 

次回予告

来週のコナンは、『元太少年の災難』のデジタルリマスター版です。

アニメ第242話・単行本30巻に収録されているエピソードです。

懐かしいですね…!

 

 

ペース的に、年内はもう原作回のアニメ化はなさそうかなーと思っています。

デジタルリマスター版とアニオリ回をまったり見ていきたいと思います。