サンデー28号『名探偵コナン』FILE.1035「堆黒盆」感想・ネタバレ

サンデー28号『名探偵コナン』FILE.1035「堆黒盆」感想・ネタバレ

2019年6月12日発売の少年サンデー28号は、『名探偵コナン』が掲載で『ゼロの日常』が休載です。

 

今週号の表紙は、コナン&世良真純&沖矢昴です!

沖矢さんのカラーリングが色々と衝撃でした(笑)

 

先生ご自身も仰っておられましたが、表紙の沖矢さん、金髪です(笑)

どう見てもシャア・アズナブルです…。

先生はシャアが大好きだし、昴さんの髪型はシャアをオマージュしてるので、ついついシャアっぽく塗ってしまったのでしょうか。

 

服も爽やかなカラーリングでびっくりですね。

いつも黒い服を着ていた赤井さんとは大違いです…。

現在赤井さんは工藤夫妻とひとつ屋根の下で暮らしているので、この服はまさか有希子さんのチョイスなのでは…?

 

 

ではここから、コナン本編のネタバレを含む感想です。

未読の方はご注意ください。

 

 

FILE.1035「堆黒盆(ついこくぼん)」 感想・ネタバレ

今回の扉絵は、小皿を持ってニヤニヤする阿笠博士と、それをジト目で見ているコナン&哀ちゃんです。

 

阿笠博士の伯父・阿笠栗介の別荘で、年代物の小皿を手に入れた阿笠博士。

鑑定士に鑑定を頼んでおり、これから結果を取りにいくと話しています。

 

その小皿が入っていた木の箱には、何やら達筆で字が書かれていたそうですが…。

隠すより現る 栗介

と読めますね。

隠そうとすると目立って、かえって外へ知れやすいという意味の慣用句ですが…。

栗介と署名が入っているところを見ると、栗介伯父さんの直筆でしょうか?

となるとこの小皿には、何か秘密がありそうですが…。

 

 

栗介は大富豪だったため、栗介の別荘にあった年代物の小皿はかなり値打ちのある骨董品ではないかと予想する博士。

そんな博士とは裏腹に、哀は少し不機嫌です。

その理由は、門の陰から阿笠邸の様子をうかがっている世良真純でした。

 

ヘルメットをかぶったまま、門の陰から建物をのぞいているのが見るからに怪しい世良ちゃん…。

ドラマ撮影現場連続殺人事件で、世良ちゃんは哀ちゃんに興味を示していました。

そのため、さっそく哀の身辺を探りに来たというわけですね。

 

哀も薬で幼児化していることを世良に疑われているとコナンに聞き、焦る哀ちゃん。

かかわった人間が全員組織に消されてしまうかもしれない…と、あらためて話しています。

(このやりとり、盗聴器で沖矢に筒抜けだと思うんですけど…いいんですかね…)

 

と、そこへインターホンが鳴ります。

立て続けに5回も鳴らされるインターホン。

世良ちゃんかと思いきや…訪ねてきたのは沖矢昴でした。

 

知り合いからチェリーをたくさん頂いたので…

と、さくらんぼが入ったカゴを持っています(笑)

いつも煮込み料理ばかり差し入れに来る昴さんですが、今回はオシャレですね!?

でもついに自分で料理しなくなりましたね?

 

マリアちゃん回以降、赤井秀一は工藤夫妻と一緒に工藤邸で暮らしています。

このチェリーは工藤夫妻が誰かからいただいたものか、有希子さんが差し入れ用にと調達したものでしょうか。

さくらんぼではなくチェリーと言っているのが少し気になったのですが、

  • 赤井秀一はイギリス育ち・アメリカ国籍なのでナチュラルに英語が出た
  • あれは日本のさくらんぼではなくアメリカンチェリー

のどちらかでしょうか…?

チェリーの発音がシェリーに似ているので、なんとなく哀ちゃんに対する圧力のようにも感じてしまいました…。

(が、沖矢さんが哀ちゃんにプレッシャーをかける理由はないですよね)

 

 

しかも沖矢さん、世良ちゃんを一緒に連れてきてしまいました!

そういえば例の骨董品の鑑定結果は?

と阿笠博士に尋ねる昴さん。

コナンよりも先に阿笠博士から小皿のことを聞かされていたんですね。

 

博士はちょうどこれから鑑定結果を聞きにいくこと、鑑定士が面白い鑑定物を見せてくれると言っていることを沖矢さんに話します。

 

面白い鑑定物とは、堆黒盆のこと。

木胎に黒漆と朱漆を何層にも塗り重ね、表面を黒漆塗りし、これに文様を彫刻した漆芸品だと博士は話しています。

 

コナンが

この前TVの鑑定番組で出てたお盆だろ?確か一億円の値がついてたな…

と言っていますが、その鑑定番組とはこれのことですね。

 

参考リンク
開運なんでも鑑定団 2010年8月31日放送 堆黒盆

本当に一億円の値段がついています。

 

番組を見て、鑑定士に「ウチにも似たようなお盆がある」と鑑定を依頼してきた人が3人もいたそうですが、その3枚の堆黒盆の柄は3枚ともまったく同じ「」の柄。

しかも2枚は贋物だったそうです。

 

本物と贋物の違いの解説を、これから見に行こうとしている阿笠博士ですが…。

私もお供させてもらってもよろしいでしょうか?

 

では(世良も含めて)5人揃って行くというのはどうでしょうか?

とグイグイくる沖矢さん(笑)

そうでした…何気に図々しいんですよね、この方は…。

 

初対面(という設定)の阿笠博士に向かって、

しかし広いお住まいですねぇ…住人がもう1人増えても問題はなさそうですね…

引用:名探偵コナン 第60巻『新たな隣人』

と強引に居候しようと迫ってたの忘れてないですからね!

 

 

しかし世良ちゃん、骨董品なんて興味ないから哀と一緒に留守番すると言っていたのに…。

哀ちゃんが博士と一緒に行くと言うと、自分も興味出てきちゃったと手のひらを返した発言をするあたり、沖矢さん=赤井さんに似た図々しさを感じますね(笑)

目的が哀ちゃんなのが、いっそすがすがしいほどバレバレです。

 

 

コナンくん、こっそり沖矢さんになぜ世良まで誘ったのかと尋ねます。

スマンなボウヤ…という受け答え、容姿は沖矢さんですが完全に赤井さんの素が出てますね。

  • あのまま門のところで不審な行動をさせ続けるのは忍びなかった
  • 妹には少々聞いておきたいこともあった

というのが、沖矢さんが世良ちゃんを誘った理由ですが…。

 

沖矢さん=赤井さんが世良ちゃんに聞きたいことというのは何でしょうか?

パッと思いつくのは、裏切りのステージの時のこのセリフです。

引用:名探偵コナン 第90巻『裏切りの制裁』

 

浅香という名の人物が世良の周辺にいないか、と蘭と園子に聞いているんですよね。

この時のセリフが非常に唐突で意味が分からないので、いまだに気になっている伏線です。

赤井さんは、なぜ浅香が世良ちゃんに接近すると思っているのでしょうか?

 

世良ちゃんを哀ちゃんに接近させてまで『妹に少々聞いておきたい』と言っているところを見ると、やはり赤井さんはメアリーとは連絡を取っていないようですね。

 

【考察有】赤井秀一・羽田秀吉・世良真純・メアリーの情報共有状況まとめ

 

 

博士のビートルに5人で乗り込んで鑑定士の家に向かうコナンたちですが、哀・コナン・世良が乗っている後部座席を沖矢さんが上機嫌で眺めているのがなんとも言えないですね。

妹と一緒で嬉しいのか、妹とコナンが話しているのが微笑ましいのか…。

哀ちゃんにとっては気が休まらない状況なんですけど…。

 

 

さて、古美術鑑定家の西津法玄の家に到着した一行。

呼んでも西津さんが出てこないので、博士は補聴器の調子が悪いのかも…と言って一足先に家に上がりました。

博士が作ったという補聴器の名前は『聞こエンジェル』です。

聞こえるのか聞こえないのか(笑)

 

エンジェルと言えば、ベルモットが蘭のことをエンジェルと呼んでいますよね。

エレーナは組織内部でヘル・エンジェルと呼ばれていました。

第3のエンジェルとして登場した補聴器ですが…特に意味はないのかな?

今回限りのダジャレですかね。

 

 

『難しい言葉を知ってるんだな?』と世良ちゃんに言われて『ええ 悪い?』と開き直る哀ちゃん。

うーん、どうも世良ちゃん相手だと、哀ちゃんの緊張感が緩い気がします。

世良ちゃんは組織の人間ではありませんから、哀ちゃんも心のどこかで警戒心が薄れてしまっているのでしょうか。

 

鑑定士の西津法玄は、堆黒盆の鑑定を頼んだ人物たちを別室に待たせておいて、本物の堆黒盆を眺めていました。

これぞまさしく本物の堆黒盆じゃ!

残念ながら…あなたが持ってきた盆ではなかったがね…

それを聞き、『それが私の盆だ!』と西津さんの頭を背後から殴打する犯人!こわい!

そこへ阿笠博士が現れ、倒れている西津さんを発見しました。

 

頭から血を流しながらも堆黒盆に触り、『これが本物』と阿笠博士に伝える西津さん。

堆黒盆に血が付着していますので、犯人が血液をぬぐったとしても、本物からはルミノール反応が出そうですが…。

 

救急車と警察を呼ぼうとするも、博士は車にスマホを置いてきていました。

すぐに戻るからと言い残して博士が部屋を離れた途端…。

隠れていた犯人が再度姿を現し、西津さんにトドメを刺してしまいました。

 

西津さんが頭から血を流して倒れていたことを聞き、急いで現場に向かうコナンたち。

ですが西津さんは既に刺殺されており、堆黒盆もなくなっていました。

 

そこへ西津さんへ堆黒盆の鑑定依頼をしていた3人が現れて…というところで、シリーズ1話目は終了です。

 

犯行についてはまだまだヒントが足りないので、まだ誰が犯人なのかは推理できないですね。

次回以降に持ち越しです。

 

 

それにしても、今回も非常に重要なエピソードであることがうかがえますね。

沖矢昴と世良真純、そして灰原哀がお互いの正体を知るのかどうか…。

そして過去のエピソードや伏線を思わせる内容がこれでもかと盛り込まれています。

 

どこまでが伏線なのかは不明ですが、とりあえず過去エピソードを匂わせていると思われる部分をまとめました。

 

今エピソードに隠された過去エピソードとのつながり

月と星と太陽の秘密

博士の伯父の阿笠栗介と言えば、単行本第12巻・アニメ第163-164話『月と星と太陽の秘密』に登場したキャラクターです。

コナンと哀ちゃんがまさに解説してくれていますが、家の中に隠された暗号を解いていく…という形のエピソードでした。

つい先日アニメ放送されたばかりの『マリアちゃんをさがせ!』でも同じスタイルが取り入れられていましたね。

立て続けに『月と星と太陽の秘密』を本編に取り入れてくるのが、なんだか意味深です。

 

阿笠栗介は次のような人物として描かれています。

  • 50年前に亡くなった金持ち
  • 人間嫌い
  • 小さい頃から病弱で、38歳で他界するまでずっと別荘で静養していた
  • 栗介の面倒を見ていたのは妹の定子

 

烏丸蓮耶や鈴木財閥のような大富豪とはいきませんが、それなりのお金持ちだった様子。

今回のエピソードで栗介が再登場したということは、組織と何か関わりがあったりするのでしょうか。

 

 

『月と星と太陽の秘密』では、栗介の別荘の隠し部屋に住んでいた絵描きが、20ドル紙幣の原版を作っていました。

つまりニセ札作りですね。

 

ニセ札と言えば、灰原哀初登場回の『黒の組織から来た女』でも、ニセ札作りの常習犯が登場していました。

さすがにこれを連想するのは考えすぎでしょうか。

こちらは単行本第18巻、アニメ第129話です。

 

 

赤と黒のクラッシュ

今回登場している堆黒盆は、『黒漆と朱漆を何層にも塗り重ね』たもの。

黒と赤といえば、コナンですぐに連想するのは単行本第56~59巻・アニメ第491~504話『赤と黒のクラッシュ』です。

 

ただこのサブタイトルはアニメ化に際してつけられたもので、原作で名付けられたシリーズ名ではありません。

堆黒盆との一致は、たまたまの偶然ですね。

黒ずくめの組織にまつわる重要エピソードではありますので、ボスが判明したタイミングで復習しておくのはちょうどいいのかもしれません。

 

仲の悪いガールズバンド・裏切りのステージ

沖矢昴がコナンに世良真純を連れてきた理由を釈明しているシーンからは、彼が妹を可愛がっている様子が見受けられます。

単行本第88・89巻、アニメ第836-837話『仲の悪いガールズバンド』でも、赤井秀一は妹のために電車の切符を買いに行くという行動をとっていました。

 

その間、赤井はスコッチと真純を2人きりにしています。

この時点ではスコッチがNOCであることはわかっていなかったわけですから、赤井にとっては危険極まりない状況だったんですよね。

真純のことが心配なあまり失策を犯したのか、スコッチがNOCであると薄々感づいていたのか…。

ちょっと疑問が残るシーンではあります。

 

また、『妹に少々聞いておきたい事もあった』というのは、先述の通り浅香のことである可能性が高いです。

単行本第90巻、アニメ第866-867話『裏切りのステージ』でのことですね。

浅香が世良に接近するのではないか、となぜか予想していた沖矢昴。

彼は浅香のことをどこまで知っており、浅香と世良にはどんなつながりがあるのか…。

非常に気になる伏線です。

 

漆黒の特急・ギスギスしたお茶会・長野の雪山編

今回の事件の容疑者は、次の3人です。

  • 坂巻鈴江(さかまきすずえ)
  • 蝶野欽治(ちょうのきんじ)
  • 遠島基行(とうじまもとゆき)

 

他の方のツイートを見ていて驚いたのですが

  • 坂巻鈴江→鈴→ベルツリー急行→漆黒の特急(ミステリートレイン)
  • 蝶野欽治→蝶→バタフライピー→ギスギスしたお茶会
  • 遠島基行→行(ゆき)→雪→長野の雪山編

と、安室透がかかわった事件をほうふつとさせる文字が入っています。

(行→雪なのはちょっと強引かなと思うのですが)

 

今回の事件に、安室透は関わってこないと思うのですが…。

なぜこの3人の名前には安室にまつわる漢字が含まれているのでしょうか。

安室透登場回を復習しておいてね、という青山先生からのメッセージでしょうか。

 

 

堆黒盆はなぜ3枚なのか

今回の事件のキーアイテム・堆黒盆

堆黒盆の鑑定を依頼してきたのは3人

3枚の堆黒盆のうち、1枚だけが本物で、2枚が贋物です

 

この数は、3人のRUM候補のうち本物は1人…という構図に重なります。

 

堆黒盆は漆を何重にも塗り重ねて作られた漆芸品。

堆黒盆がRUM候補たちの暗喩なら、RUM候補の3人はいずれも素顔の上に偽りを何重にも重ねている=変装している、と読めます。

本物のRUMが変装しているのは当然のことですが、RUMではない2人も素顔ではなく偽りの姿や名前で登場しているという線がやはり強調されているように思えます。

 

名探偵コナンの若狭留美はラム?浅香?登場回まとめも

 

次回予告

次回はシリーズ2話目です。

ゼロの日常の休載スケジュールによると、今シリーズは4話構成なので、まだまだ謎は明らかにならなさそうですね。

 

沖矢と世良、世良と哀、そして沖矢と哀…。

この3人の関係性が変化していくのかどうか、非常に気になります!

 

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