高木刑事の誕生秘話!魅力たっぷりのおすすめエピソード3選も

高木刑事の誕生秘話!魅力たっぷりのおすすめエピソード3選も

コナンに登場する警察関係者の中でも出番がかなり多く、人気も高い高木渉刑事

所属は警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査三係

目暮警部の部下であり、佐藤美和子刑事とは恋人同士というキャラクターでもあります。

 

実はこの高木刑事、もともとはアニメオリジナルキャラクターだったことをご存知ですか?

意外な誕生秘話と、高木刑事が活躍するオススメのエピソードをご紹介します。




高木刑事の誕生エピソード

もともとはアニメのオリジナルキャラクターだった

コナンの連載が始まった頃、登場する警察関係者は目暮警部ひとりでした。

ですかアニメ化して話が進むにつれ、事件経過を説明する進行役が必要だということでアニメオリジナルキャラクターが作られることになりました。

もともと小嶋元太役で出演されていた高木渉さんが、もっとアニメに出演したいと希望していたことから、高木渉さんが声をあてる刑事を作ろうということになったのです。

この時はまだ単なるモブ刑事で、名前も与えられていませんでした。

 

名前は声優・高木さんのアドリブが採用された

もともと名前のないキャラクターでしたが、目暮警部役の茶風林さんがアドリブで名前を尋ねたところ、高木さんがこれまたアドリブで『高木です』と答えました。

そのアドリブが採用され、キャラクターの名前=声優の名前である『高木渉』になったのです。

 

原作に逆輸入され、今やすっかり出世キャラに

アニメで高木刑事のキャラクターが定着すると、原作にも逆輸入されることになりました。

初登場は第18巻。レギュラーキャラクターとしては、意外と遅い登場でした。

 

しかし原作に登場してからというもの、佐藤美和子刑事との恋愛模様が描かれる『本庁の刑事恋物語』がシリーズ化し、押しも押されぬ人気キャラクターに成長しました。

アニメや劇場版で先に登場して原作に取り入れられた逆輸入キャラクターは他にもいるのですが、その先駆けが高木刑事だったんですね。

コナンの逆輸入キャラクター!アニメや劇場版から原作へ登場

高木刑事の性格・人柄

事件経過を説明する進行役という役割を与えられて生まれたキャラクターのため、コナンに事件の経過や捜査の情報などを説明するのが高木刑事の大切な役割。

そのため、お人好しで優しいというのが基本的な性格になっています。

コナンにいろいろと説明してくれるのはもちろん、探偵団の子どもたちに対しても優しい態度をとっていますね。

仕事ぶりも真面目で、一部の例外を除いて周囲の人にはほぼ敬語。礼儀正しさも表れています。

殺人事件を主に捜査している刑事さんではありますが、『こんなお巡りさんが近所の交番にいてくれたらいいな』という理想を体現したような存在だと思っています。

押しに弱く、普段はやや気弱な面もありますが、いざという時にはびっくりするほどカッコよく決めてくれるという二面性を持ったキャラクターです。

 

高木刑事が活躍するおすすめエピソード3選

高木刑事が登場するエピソードは山のようにあるのですが、中でも特に高木刑事の魅力を感じられるエピソードを3つ選んでみました。

 

揺れる警視庁 1200万人の人質

単行本第36~37巻収録、アニメ第304話(2時間スペシャル)のエピソードです。

降谷零の警察学校組の同期・松田陣平と萩原研二も登場する貴重なエピソードとなっています。

【名探偵コナン】警察学校組って何?降谷零の警察学校時代の同期たち・まとめ

あらすじ

コナンや少年探偵団の子どもたちと郵便局強盗事件の実況検分をしながら、3年前の連続爆破事件のことを思い出す佐藤刑事。

その連続爆破事件では、佐藤刑事が想いを寄せていた松田陣平刑事が殉職していた。

実況検分後、白鳥警部の車の中に連続爆破予告のメッセージが貼り付けられていた。

それを知らせようとした白鳥警部が車を降りようとした途端、車に仕掛けられていた爆弾が爆発。白鳥警部は重傷を負う。

 

メッセージを送ってきたのが3年前に松田刑事を、そして7年前に萩原刑事を爆弾の爆発に巻き込んで死亡させた連続爆弾犯であることを確信した警視庁は、緊急配備を敷いて捜査を開始した。

東都タワーに爆弾が仕掛けられていることを見抜いたコナンは、高木刑事と共に東都タワーへ急行。

1200万人の都民を爆弾から守るため、2人は命がけで爆弾の解体に挑む。

 

コナンの正体に迫る発言

コナンと共に東都タワーに仕掛けられた爆弾の解体に挑む高木刑事。

解体作業は順調に進んでいましたが、解体作業をしている爆弾が爆発する3秒前に、爆弾のディスプレイにもうひとつの爆弾のありかのヒントが表示されるようになっていることがわかります。

コナンがヒントを見て高木刑事に伝え、高木刑事がそれを佐藤刑事に伝えることで爆弾から都民を守ろうとする2人。

 

そんな命がけの状況下で、彼はコナンに問いかけます。

名探偵コナン 第36巻『この世で一番…』より引用

コナンが優秀な頭脳を持っていることに気づいている登場人物は数多くいますが、それでもほとんどのキャラクターはコナンを小学1年生だと信じ切っています。

 

他に警察関係者でコナンの正体という核心に迫りかけているのは、長野県警の大和敢助警部と公安の降谷零のみ。

大和警部はコナンがたぐいまれな頭脳を持っていることを見抜き、毛利小五郎の推理が実はコナンによるものだと見抜いていますが、それでもコナン=工藤新一であることには気づいていません。

降谷零も毛利小五郎の推理がコナンによるものであることを見抜いていますが、コナン=工藤新一であることを見抜いているかは定かではありません。

コナンの正体を疑い、しかもそれを直接本人に問いかけたのは、現状では高木刑事ただ一人なんです。
(もっとも、コナン=工藤新一ということにはまったく気づいていませんが…)

 

この高木刑事からの問いかけに対するコナンの答えも最高にカッコいいんですよね。

何度読んでも胸が熱くなります。

 

 

松田刑事を忘れたいという佐藤刑事にかけた言葉

コナンの推理により、連続爆弾犯の居場所をつきとめて追い詰めた佐藤刑事。

松田刑事を殺された恨みから、犯人に向けて発砲してしまいます。
その瞬間佐藤刑事に体当たりをし、犯人の命を救ったのは高木刑事でした。

『そんなんじゃ松田刑事に怒られちゃいますよ…』と言われ、佐藤刑事は松田刑事のことを忘れたい、忘れさせてと泣き出してしまいます。

そんな佐藤刑事に高木刑事がかけた言葉がこれです。

名探偵コナン 第37巻『バイバイ…』より引用

好きな女性に!元カレ(付き合ってはいませんでしたが、両思いも同然でした)のことを!忘れるなという男気!

初めて読んだ時、あまりにも高木刑事がカッコよくて痺れたシーンです。

愛する女性の中に他の男の影があるなんて、本当ならば嫉妬してしまうところですが…。

嫉妬するどころか忘れてはいけないと諭してくれる高木刑事の人間性、すごすぎますよね。

高木刑事の実直さと人の好さがよくわかるエピソードでした。

 

 

本庁の刑事恋物語7

単行本第50巻、アニメ第431~432話のエピソードです。

高木刑事と佐藤刑事の恋愛模様を描いた『本庁の刑事恋物語』シリーズの7作目です。

 

あらすじ

食事のためにカフェに出かけたコナン、蘭、小五郎は、同じ店に合コンをしに来た高木刑事と千葉刑事に出会う。高木刑事は人数合わせで来ただけだと話す。

そしてなんと、合コンの女性側の参加者には佐藤刑事と交通課の宮本警部補の姿もあった。

お互い相手が自分に黙って合コンに参加していたことが気に食わず、ギクシャクする高木刑事と佐藤刑事。

そんな中、合コン参加者の江本将史・江本彩の姉弟が預かっている5歳の甥・浩太が誘拐されてしまったことが判明。

姉弟が揃って外出することを知っていた人物=合コンへの参加を断った3人の中に犯人がいると考え、コナンたちは捜査を開始する。

 

初対面の女性を気遣う優しさ

序盤は緊迫感漂う合コンシーンです。

高木刑事は千葉刑事に、佐藤刑事は由美さんに無理やり連れてこられただけなんですが、どんな事情であれ恋人が自分に黙って合コンに参加していたら面白くないですよね。

お互い思うところがありつつも、合コン参加者の江本彩さんに優しい言葉をかける高木刑事。

名探偵コナン 第50巻『緊迫のコンパ』より引用

すぐそばに佐藤刑事がいるのに女性に優しくするなんて!と思いましたが、逆なんですよね。

高木刑事は他の女性に対して下心が一切ないので、自然に気遣いの言葉が出てしまうんだろうなと思います。

 

それまでずっと浮かない顔で、もう帰ろうかなとまで言っていた彩さんでしたが、高木刑事に声をかけられてからは頬を赤らめています。

誰が相手でも自然体で優しくできる高木刑事…隠れたモテ男ですよね。

交通課の婦警さんたちに人気があるというのも納得です。

 

些細なことから犯人を見抜く洞察力と推理力を発揮

3人の容疑者の家をめぐって様子を見た後、江本家に戻ってきて誰が犯人なのか推理を続けるコナンたち。

そんな中、誘拐されていた浩太くんがひとりでひょっこり帰ってきました。

でも浩太くんは誰が犯人なのか言おうとせず、将史さんも『帰ってきたんだからもういい』と犯人を庇うような発言をしています。

そしてこの時、高木刑事だけがあることに気づきました。

名探偵コナン 第50巻『つまんない試合』より引用

帰ってきた浩太くんの靴下が濡れていたんです。

浩太くんに理由を聞き、血相を変える高木刑事。

高木刑事はこの時、浩太くんを解放した犯人が風呂場で自殺しようとしていることをすぐに見抜きました。

 

いつもはコナンにヒントをもらっている高木刑事ですが、独力でもこんなにすごいんだ!という底力を見せてくれる名シーンです。

 

自殺を図った犯人をひとりで救出

佐藤刑事やコナンが犯人の家に向かおうとした時、高木刑事の姿がないことに気が付きます。

こんな時に何やってんのと怒りながらも犯人の家に向かうと、そこには息を切らして血まみれになっている高木刑事がいました。

名探偵コナン 第50巻『大当たり!』より引用

犯人が自殺しようとしていることを見抜いたものの推理に自信が持てず、佐藤刑事に判断を仰いでいたら間に合わなくなるかもしれないと思った高木刑事は、一人で犯人の救出に向かっていたんです!

そして本当に自殺しようとしていた被疑者を無事助け出していました。

ここの高木刑事は普段の頼りなさが嘘のようなカッコよさ!

迷わず行動できる咄嗟の判断力がすごいです。

目暮警部も心なしか嬉しそうな表情をしていますね。

 

この事件は珍しく死人がひとりも出ておらず、最後には高木刑事と佐藤刑事のラブラブなシーンも……♡

最初から最後まで、高木刑事の魅力にあふれるちょっと異色なエピソードでした。

 

 

命を賭けた恋愛中継

単行本第76~77巻、アニメ第681~683話のエピソードです。

 

あらすじ

一泊の予定でどこかに出かけていった高木刑事。

翌日、警視庁を訪れた少年探偵団のメンバーは、見知らぬ老人に『高木刑事からの預かり物を、彼の恋人に渡してほしい』と謎の包みを渡される。

佐藤刑事が包みを開封すると、中から出てきたのはタブレット端末。

その端末にはガムテープとロープで拘束された高木刑事の姿が映し出されていた。

高木刑事を助けるため、佐藤刑事をはじめとした捜査一課の面々と少年探偵団は捜査を開始した。

 

拘束されていても冷静に頭を働かせる高木刑事

高所に拘束されてほとんど身動きが取れない高木刑事ですが、タブレット端末を見ている佐藤刑事たちに自分の居場所を伝えようと、冷静に知恵を振り絞ります。

  • 警察手帳を下に落とす
  • 板にかかったシートを下に落とす
  • 下にいる通行人を巻き込まないため、爆弾を落とさず板の上に乗せる
  • 音声が伝わらなくても、唇の動きで居場所を伝えようとする

 

名探偵コナン 第77巻『最強の先輩』より引用

 

飲まず食わず、それも冬の北海道で屋外に拘束されるという、まさに命がけの極限状態!

そんな状況でこれだけのことをやってのける精神力はすごいですね。

普段はやさしくて少し抜けたところのある高木刑事ですが、このエピソードでは高木刑事の底力が垣間見えます。

 

亡き先輩の遺志を継ごうとする優しさ

そもそも高木刑事が出かけた理由は、一年前に交通事故で亡くなった先輩・伊達航刑事のためでした。

伊達刑事の恋人・ナタリーさんは、伊達刑事が亡くなったショックで首つり自殺をしてしまいます。

不運なことに彼女の両親も彼女の遺体を引き取りにくる際に事故に遭って亡くなっています(すごい不運の連鎖ですよね)。

結局ナタリーさんの遺体を引き取ったのは彼女の同僚ですが、高木刑事はその同僚に伊達刑事がナタリーさんに贈ろうとしていた指輪を渡して真実を話すために出かけていったのでした。

 

名探偵コナン 第76巻『継承された旭影』より引用

殺されそうになっても、なお伊達さんの遺志を犯人に伝えようとする高木刑事。

結局犯人が高木刑事を拉致したのは人違いが原因で、しかも犯人は自殺をしてしまうという身勝手極まりない犯行だったわけですが…。

犯人を微塵も恨まず、『自分がナタリーさんに指輪を渡していれば』と悔やむ高木刑事、どこまでお人好しなんでしょうね。

 

高木刑事が拉致監禁されるという、手に汗握る展開の『命を賭けた恋愛中継』。

極限の状況で高木刑事が見せる冷静さと優しさが光るエピソードでした。

 

 

余談:伊達航と安室透の関係

このエピソードでは、伊達航と安室透の関係が明らかになっています。

伊達刑事はどこで何をやっているかわからない安室の安否を心配してメールを送っていましたが、安室さんが返信しないうちに亡くなってしまいました。(潜入捜査中ですから、返信できなかったのも無理はありませんが)

 

伊達刑事の遺品である黒い手帳は高木刑事が受け継いで使っているわけですが、単行本第90巻、アニメ第866~867話『裏切りのステージ』で、安室さんがこの手帳に『ゴメンな』という文字を書きこんでいます。

筆跡鑑定をするために高木刑事がそう書くように頼んだのですが…。

メールを返せないまま亡くなってしまった伊達刑事の遺品に『ゴメンな』の文字を書きこむ安室さん。

おそらく高木刑事の手帳が伊達さんの遺品であることは知らないと思いますが、なんだか少し切なくなるシーンでした。

 

さいごに

意外な形で初登場し、すっかり出世キャラクターとなった高木刑事。

頼りない面もあるけれど、子どもに優しく、やる時はきっちりカッコいい姿を見せてくれます。

メインを張るエピソードはそう多くはありませんが、高木刑事の言動に注目してみると、また違った一面を見いだすことができて面白いですよ。

高木刑事のカッコいい姿、ぜひ楽しんでみてくださいね。