サンデー49号『コナン警察学校編』CASE.11「鳩首凝議」感想・ネタバレ

サンデー49号『コナン警察学校編』CASE.11「鳩首凝議」感想・ネタバレ

2020年11月4日発売の少年サンデー49号は、『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』の諸伏編第2話が掲載されています。

 


先週号から始まった景光編。

第2話ではついに景光の過去が明かされます。

 

 

以下、ネタバレを含む『警察学校編』の感想です。

未読の方はご注意ください。




 

CASE.11「鳩首凝議」感想(ネタバレあり)

今回のサブタイトル「鳩首凝議」は、人が集まって真剣に話し合うという意味。

景光の過去が語られ、それについて5人が話し合う内容というのがタイトルからわかりますね。

 

 

景光の口から15年前の事件について明かされますが、あまりの内容の重さに絶句です。

  • 諸伏家にやってきた来訪者に父親が襲われる
  • 母親が景光を押入れに入れ、今度は母が男と言い争っていたがやがて母の声も途絶える

 

もうこれだけでトラウマものなんですが…。

さらに押入れの隙間から覗いたら血まみれの包丁を手にした犯人が歌を口ずさんでいたとか、7歳の景光少年にはどれだけ怖かったか。

 

 

男が探していたのは、景光の幼なじみで病気で亡くなったという「有里」ちゃん。

犯人の男は景光の父と知り合いだったようですが、なぜ有里ちゃんが諸伏家にいると思ったのか。

なぜ景光の両親を殺したのか。

まだ理由はわかりませんが、どう考えても理不尽な殺人ですよね。

 

 

景光が血の匂いのことを「鉄の匂い」と表現をしたため、萩原が途中で「さっきから鉄って何だよ?」と尋ねたのがちょっと息抜きポイントでした。

前回から今回にかけて、景光は言葉選びがちょっとポエマーです。

 

 

押入れの隙間から、犯人の肩にゴブレットのようなタトゥーが入っているのを見たという景光。

いつの間にか寝ちゃっていたと言いますが、それはショックが大きすぎて気を失っていたのでは…。

扉などが開け閉めされる音で目を覚ました景光ですが、押入れを開けて景光を見つけたのは諸伏高明でした!

 

 

ここでやっと高明さんが登場です~!

これまで景光が事件を回想する時、まったく高明さんについて触れられていなかったのが疑問だったんですが、彼は中学の林間学校に行っていたので事件現場には居合わせなかったんですね。

 

 

学ラン姿(!)の高明さんが

景光…父と母が死んでいる…何があったか話せるか?

と言っていますが、ちょっとお兄さん冷静すぎません?

 

この時の高明さんは13歳、中学1~2年生のはず。

林間学校から帰ってきたら両親が死んでいて、景光も見当たらなくて、家じゅうのあちこちを探し回って押入れにたどり着いたはず。

それにしてはあまりにも冷静な……さすがお兄さんというか…。

 

 

事件のショックで景光は軽い記憶喪失になり、失語症にもなってしまったとのこと。

景光は東京、高明は長野の親戚に預けられて環境は変わったものの失語症は治らず、零に出会って治ったと…。

記憶喪失&失語症って、ここでも景光少年にあまりにも過酷な設定が付与されていて絶句です。

零と友達になって失語症が治ったというのは、非常に微笑ましくて2人の絆の強さを感じるエピソードですね。

 

 

景光は事件のことを「最近色々思い出してきた」と言ってますので、思い出すまでに随分年月がかかってますね。

そうこうしているうちに怪しい人物3人に出会ったと…。

景光本人も言っていますが、あの事件の犯人が長野じゃなく東京、それも景光の近くにいるなんてすごい偶然です。

 

その3人に、もう松田達が手分けをして話を聞いてきていました!

さすがの行動力!

 

 

しかし松田編では『長野一家死傷事件』だったのに、今回は『長野夫婦惨殺事件』という名前に変わってるんですね。

景光と高明さんが無傷だったから、『一家死傷事件』ではおかしいなという話になったんでしょうか?

単行本では『長野夫婦惨殺事件』に統一されるのかな。

 

 

 

さて、ここからは疑わしい3人について。

 

金物屋の入江さんに話を聞いてきたのは伊達班長。

肩のタトゥーは町内会の卓球大会で優勝した時に入れた優勝カップ…。

待ってえええ町内の大会で優勝したからってタトゥー入れます!?

見た目に反して結構カワイイ人ですね…よっぽど優勝したのが嬉しかったんだ…。

長野の方言を使っていたとのことなので、長野出身なのは間違いなさそうです。

 

景光も解説してくれていますが、長野では『あげる』ことを『くれる』と言うんですよね。

『花の水やり』のことを『花の水くれ』とか言ったりします。

青山先生はこれまでも大和警部や上原刑事に信州弁を使わせていますが、いったいどこから信州弁の知識を仕入れておられるんでしょうか!?

 

 

次は萩原が話を聞いてきたクリーニング屋の外守さん

もう絶対この人が犯人だよおおおという気持ちでいっぱいなんですが…。

 

20年前に交通事故で妻と母を同時に亡くし、その2人を弔うために観音様の顔が向き合う形のタトゥーを入れたとのこと。

さらっと『入江さんと同郷』と言われてますので、外守さんも長野出身ということですよね。

 

独り暮らしだそうですが、ここで思い出したいのが伊達編のコンビニ強盗。

あの時外守さんも現場にいて

わ、私は娘のオヤツを…

と言っていました。

 

娘のオヤツを!?娘!?

やだ何なに怖い!独り暮らしなんでしょう!?

 

外守さんはどこかの大学の工学部出身で、簡単な電化製品なら直していた…という萩原のセリフも少し引っ掛かります。

何か重要な情報なんでしょうか。

 

 

3人目は松田が話を聞いてきたバイク店の店員・物部さん。

首の後ろにサソリのタトゥーを入れており、ゴブレットに見えないことはないですが…。

年齢やタトゥーが入っている位置を考えると、犯人の可能性は低いですよね。

 

 

『物部さんも外守さんと同じく独り暮らし』という松田のセリフを聞いて、降谷と伊達が何か引っかかる…という反応をしています。

降谷と伊達は、コンビニ強盗現場で外守さんが「娘のオヤツを買いにきた」と言っているのを聞いているからかな。

 

 

景光は

この前兄にとりあえず思い出した事件の事を話しておこうと電話したら…

と言っていますが、このシーンの高明さんにはヒゲがなかったのでびっくりしてしまいました。

この時点の高明さんは28歳ですよね。

28歳時点ではまだヒゲがなかった…!

相変わらず、ヒゲがないと本当にきれいな顔立ちですよね。

 

 

高明さんの話によると、諸伏一家が住んでいたのは洋風の家なので、そもそも押入れがないとのこと。

高明さんが景光を見つけたのは、観音開きのクローゼットでした。

 

 

降谷によると、景光が預けられた東京の親戚の家が日本家屋なので、その家の記憶とごっちゃになっているのでは?とのこと。

しかし観音開きのクローゼットなら、景光が隙間から犯人を目撃するためにはクローゼットの扉を自分で開ける必要があります。

そこで伊達が、景光はクローゼットのスリットから外を覗いたのでは?と推理。

ここで4人とも何かに気づいたような表情を…!

 

 

このシーン、松田編での伏線を見事に回収しているんですね。

松田編第1話で、降谷が目撃情報を集める上での注意点として

目撃情報の注意点として、犯罪現場に居合わせたストレスや思い込みや、警察官の誘導的な質問で目撃者の証言がゆがめられる可能性がある…

その為、証言を鵜呑みにするのではなく…しっかりとした裏取りが必要である…

と言っていました。

景光はまさしく現場に居合わせたストレスと記憶障害で、証言が歪んでしまっていたわけで。

この伏線回収ぶり、まさに『名探偵コナン』らしさがよく出ていますね。

 

 

景光が犯人を目撃した隙間が縦ではなく横だった…ということで、何がわかるのか。

萩原編の感想でも書いたんですが、景光は外守さんの観音様のタトゥーをルビンの壺のように見間違えたんだと思うんですよね。

 

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クローゼットのスリットで視界の上下がさえぎられ、観音様の顔ではなくゴブレットだと認識したのではないでしょうか。

 

 

諸伏高明の半生について

過去を語っているのが景光なので、どうしても景光の生い立ちに注意が向いてしまいますが…。

諸伏高明の半生も、あまりにもとんでもないなと改めて思った次第です。

 

諸伏高明目線でまとめると

  • 13歳の時に両親が殺され、その場に居合わせた弟は事件のショックで軽い記憶喪失と失語症になる
  • 自分は長野、弟は東京の親戚に預けられて育つ
  • 成長した弟から警察官になったと連絡が来るものの、警察官を辞めたという連絡が来てからは音信不通に
  • 警視庁経由で弟のスマホを受け取り、弟が公安に配属されて命を落としたことを知る

景光とはまた違った地獄を見ていますよ…。

 

彼は林間学校から帰ってきたらもう両親が亡くなっており、景光も知らないうちに命を落としていますので…。

家族の誰の死に目にも立ち会えておらず、景光がいつ亡くなったのかも知らないんですよね。

 

大和警部が行方不明になった時に、上司の命令を無視して強引な捜査で彼を見つけ出した諸伏警部ですが、家族をこんな形でなくしていたら幼馴染を死に物狂いで捜したのも納得です。

 

 

アニメ984話『キッドVS高明 狙われた唇(後編)』のラストで、高明は幼少期の景光からかかってきた電話を回想していました。

高明兄ちゃん!ボク、東京で友達ができたよ!

アダ名が「ゼロ」って言うんだ!カッコイイでしょ?

景光は失語症のまま東京へ行っているので、しばらくは兄に電話できなかったか、スムーズな会話ができていなかった感じですよね。

それが零と友達になってからは、こんなに明るい声で嬉しそうに電話をかけてきたわけで。

高明さんにとっては弟の変化がどんなに喜ばしいことだったか。

しかしこの回想、景光の死を知った後の回想なので、それを思うと辛さが増しますね…。

 

 

次号予告

次号の50号は、諸伏編第3話が掲載されます。

 

次回で犯人が捕まり、景光の過去には一応の決着がつきそうですが…。

前回の冒頭で、景光は燃えている建物に入っていこうとしてるんですよね。

外守さんが焼身自殺でもしようとしたのか、誘拐された女の子が中にいるのか…。

大波乱の解決編になりそうです。