安室透=降谷零は孤独な男?彼の人間関係と人付き合いのスタンスを読み解く
2018年に公開された『ゼロの執行人』以降、人気が急上昇している安室透。
以前『青山先生と話そうDAY!!』というイベントの質問コーナーで、安室さんには仲間がいないから風見さんを原作に逆輸入してほしいという意見が出ました。
この時に青山先生はこう答えています。
(安室は)そこが(孤独なのが)いいんじゃないの~!
確かに、安室透には孤独というイメージが色濃く付きまとっています。
この記事では、安室透が孤独な男と呼ばれる理由と、その性質について考察してみました。
前提として、名探偵コナン本編およびアニメだけではなく、劇場版とスピンオフ『ゼロの日常』での描写も考察の材料としています。
(劇場版は)プロットの前から打ち合わせをしているし。
シナリオも絵コンテもチェックしています。
アニメスタッフが作っているものだけど、自分の作品でもある。
引用:アニメスタイル インタビューズ01
(ゼロの日常は)連載2本やってるかのように、ネームにもいっぱい関わって、怒涛のチェックを入れてます。
場合によっては、「ごめん、全部ボツ」って非情なことを言ったり…。
引用:名探偵コナン シネマガジン2019
青山先生ががっつり関わって、気に入らない部分は先生直々に描き直しておられますので、劇場版およびスピンオフの設定や表現は『先生公認の公式設定である』と解釈しています。
安室透の交友関係と家族
まず、安室透の人間関係から考えていきたいと思います。
彼は
- 公安警察・降谷零
- 私立探偵兼喫茶ポアロのアルバイター・安室透
- 組織の探り屋・バーボン
のトリプルフェイスとして忙しい日々を送っており、完全なプライベートはコナン本編ではほぼ描かれていません。
(ゼロの日常では描かれていますが、人間関係はコナン本編とほぼ同様のレベルでしか描かれていませんね)
友人として登場したのは警察学校時代の同期たちのみ
安室透の友人として作中に登場したのは
- 松田陣平
- 萩原研二
- 伊達航
- 諸伏景光
の4人だけ。
警察学校時代の同期たちですね。
彼らが全員亡くなっていることが、安室透は孤独な男であるという印象づけの最たる理由になっていると思われます。
この4人以外の友人は、今のところまったく描かれていません。
幼少期に宮野明美と会っていたことは描かれていますが…。
組織で再会した時に明美が安室のことを覚えていなかったことから、2人は友達と呼べるほどの仲ではなかったように思います。
とはいえ、安室透に警察学校時代の同期以外の友人がいないと結論付けてしまうのも早計ではないか?と思います。
というのも、彼は警察庁警備局警備企画課に所属している公安警察官であり、しかも黒ずくめの組織に潜入中のNOCです。
組織潜入後、伊達航からの連絡を無視し続けていたことからもわかるように、組織に潜入した時点で自分で意図的に交友関係を断ったと考える方が自然です。
安室透に家族はいるのか?
安室透の家族については、まことしやかに『安室は天涯孤独の孤児院育ち』という噂がささやかれています。
この噂の出どころは、いったいどこなのでしょうか…?
彼の家族については、作中では一切ヒントになるようなことは描かれていません。
家族の話題が一切出ないから天涯孤独だ!というのなら、同じく家族や生い立ちが一切不明の高木刑事も天涯孤独ということになってしまいます。
エレーナにケガの手当をしてもらっていたことから、ケガの手当をしてくれるような親がいないのではないか?という意見もありますが…。
- 初めてエレーナに会った時は、無理やり明美に連れていかれている
- エレーナに好意を抱いたため、2回目以降はわざとケガをしたりして宮野医院を訪れている
- 単に親が共働きで帰りが遅いため、エレーナに手当してもらった方が早い
など、親がいてもエレーナを頼る理由はたくさん考えられます。
また、幼少期の安室透がいじめられていたのは、彼がハーフだからという理由によるものです。
引用:名探偵コナン 第95巻『あの女性の記憶』
親のどちらかが外国人だからいじめられているというのなら、親に『ハーフだからいじめられている』なんて正直に打ち明けるでしょうか?
おそらく彼は幼少期から聡明だったでしょうから、むしろいじめられている理由やいじめられている事実そのものを親にひた隠しにしようとするはず。
ということは、ケガをしたまま帰宅して親に手当してもらうより、エレーナに手当をしてもらって『体育の時間にケガをした』などと嘘をつく方がよっぽど自然なのではないかなと思います。
現時点で、安室透が天涯孤独だと判断できる材料は作中にはないはずなんです。
公安の部下・風見裕也との関係
次に、唯一名前付きで登場している部下・風見裕也との関係性を見ていきます。
風見裕也は劇場版『純黒の悪夢』に登場した、劇場版オリジナルキャラクターです。
『純黒の悪夢』以降、「風見、出してください!」ってファンレターが結構きて、「わかったよ」と。
「じゃ、出すか」的な。
引用:名探偵コナン シネマガジン2018
劇場版オリジナルキャラクターでしたが、その反響の大きさに、青山先生が原作に逆輸入しました。
そしてスピンオフ『ゼロの日常』でも、風見の出番はかなり多いです。
風見が出てくる風見周りの話に関してはオレが話を考えてますね。
引用:名探偵コナン シネマガジン2019
風見が出てくる回については、青山先生がプロット案を出していることが明らかになっています。
そのため、スピンオフにおける風見裕也の性格や行動は、青山先生公認ととらえて良いでしょう。
仕事以外でも割と交流がある
ゼロの日常では、安室と風見は仕事以外の場でもよく行動を共にしています。
一緒に食事をしに行ったり、お酒を飲みに行ったり、野球チームの助っ人をしたり…。
(野球の助っ人は『安室透』の仕事の一環と言えなくもないですが)
『純黒の悪夢』や『ゼロの執行人』ではあくまでも上司と部下という感じのビジネスライクな関係でしたが、スピンオフでは意外にも交流が多く描かれています。
風見との間に明確に引いているライン
親しげに交流しているように見えますが、安室は風見との間には一定の距離を保とうとしている節もあります。
ゼロの日常3巻収録の『ワンちゃん!!』で、安室は留守中のハロの世話を風見に頼んでいます。
それでいて、風見にはハロの名前を教えていません。
そのため風見は一貫してハロのことを「ワンちゃん」と呼んでいます。
ハロの世話をしてもらうため、安室は風見に家の合い鍵を預けていたはずですが…。
自宅に足を踏み入れることは許すのに、ハロの名前は教えないんですよね。
基準が謎ではありますが、風見との間に明確なラインを引いておこうという意思は感じられます。
また、コナン本編の『心のこもったストラップ』や劇場版『純黒の悪夢』、『ゼロの日常』でもたびたび描かれるように、安室は風見からの問いかけを無視して電話を切ったり、突然風見の前から姿を消すなどの行動をとっています。
もう風見と会話をする必要はないなと判断したら、一方的にコミュニケーションを終わらせてしまうんですよね。
あくまでも安室にとっては任務の遂行が最優先。
風見とのやりとりは仕事の一環でしかないのかな?と思わせる行動です。
安室は風見に自分を理解してもらおうとは思っていない
劇場版『ゼロの執行人』において、風見はこんなセリフを言っています。
安室という男は…人殺しだ
安室が羽場二三一を取り調べた直後に羽場が拘置所内で自殺したため、風見は安室が羽場を自殺に追い込んだと解釈していたわけですよね。
羽場が自殺したのは1年前のこと。
つまり風見は1年間にわたって安室を人殺しだと思ったまま、彼の指示に従っていたことになります。
そしてそんな風見の心中に、安室も気づいていたと思うのです。
風見は優秀な公安警察官ですから、不信感を決して表に出すことなく、『ゼロ』である安室の指示に淡々と従っていたはず。
安室は自分が人殺しだという誤解を受けていても、風見がきちんと役目を果たしてくれていれば十分だと考えていたのではないでしょうか?
羽場の生存は、ぶっちゃけて言えば日下部検事にさえ知られなければ、風見にはバレてしまってもよかったはずです。
それでも風見の誤解を解こうとしなかったのは、安室が『風見に自分を理解してもらう必要はない』と判断していたからなのではないでしょうか。
アニメ第813話『安室に忍びよる影』で、安室は見知らぬ男に尾行されたにもかかわらず放置しています。
コナンになぜ放っておくのかと聞かれても
だって、何をされたわけでもないし…
と返していました。
直接危害を加えられたり、任務遂行の障害になるようなことでもなければ、誰になんと思われていようが気にしないというのが彼のスタンスなのではないでしょうか。
ハロとの関係
『ゼロの日常』のオリジナルキャラクターではありますが、安室にもっとも近い存在として描かれているのが犬のハロです。
ハロはスピンオフを描いている新井先生が考案したキャラクターですが、安室がハロを飼うことに対して青山先生はOKを出しています。
ハロに対してのみ垣間見せた『孤独』
安室はコナンや風見といった近しい人物に、自分の内面を見せることはありません。
そんな安室が、ハロに対してだけは自らの『孤独』をのぞかせたシーンがあります。
河川敷でトレーニングをしていた安室の前に、ハロが初めて姿を現すエピソード。
野良犬か迷い犬かは不明ですが…1匹でいたハロを見て、安室はこんな風に話しかけます。
君も…独りぼっちか…
引用:ゼロの日常 第1巻『君も…』
犬を見て『君も独りぼっち』という言葉って、なかなか出てこないと思うんですよね。
ここで注目したいのが、ハロと出会う直前に安室が何を考えていたのか、ということです。
トレーニングをしながら、安室はスコッチ=諸伏景光が自殺した時のことを考えていました。
何故、見殺しにした…お前ほどの男が──どうして!!
引用:ゼロの日常 第1巻『君も…』
スコッチの自殺を止めなかった赤井秀一に対する怒りを、トレーニングにぶつけていたんですね。
(もちろん、赤井がスコッチを見殺しにしたというのは安室の誤解なのですが…)
スコッチ=景光が死んだ時のことを考えていた直後に『君も独りぼっち』というセリフが出てくるということ。
それはつまり、景光が死んでしまったから、自分は独りぼっちになってしまった…と安室が心のどこかで思っていた、ということではないでしょうか。
警察学校時代の同期たちの中でも、安室と景光は幼少期からの親友です。
しかも一緒に黒ずくめの組織に潜入していたNOC。
潜入中は伊達からのメールに返信しないなど、交友関係を断っていた安室ですから、景光の存在は彼にとってかなり大きかったものと思われます。
安室は景光を失って孤独になった自分と、1匹で河川敷をさまよっていたハロを重ね合わせたんですね。
原作では描かれていない安室の内面が垣間見える、非常に珍しいシーンでした。
ハロを通して見た自らの過去
ハロを通して安室の内面を描き出す演出は、これだけではありません。
安室に手当をしてほしくて、わざとケガをするハロ。
そんなハロの姿を見て、安室はかつての自分を思い出します。
もしかして…君も…わざと…
引用:ゼロの日常 第1巻『いけないよ』
初恋の女性であるエレーナに会うために、幼少期の安室はわざとケガをして宮野医院に通っていたんですよね。
引用:名探偵コナン 第95巻『ぬかったな』
エレーナとはおそらく出会って間もなく離れ離れになっていること、エレーナが既に亡くなっていることから、エレーナの存在も安室の孤独性を強調しているように思います。
果たして潜入捜査官に犬を飼う余裕はあるのか?と一部で物議を醸しているハロですが…。
安室が自分の内面をさらけ出すような人物がいない現状では、安室の内面を描き出すための小道具として、ハロの存在は欠かせないものとなっているんですね。
亡き友人からのメールを消せる潔さ
安室の警察学校時代の同期たちは、全員亡くなっているわけですが…。
1年前に亡くなった伊達航は、生前安室にメールを送っていました。
返信はしていませんでしたが、安室はそのメールを消さずにずっと残していました。
亡くなった人物からのメールを大切にし続けていた人間は、コナン本編で他にも2人登場します。
この2人と安室の違いを比べてみます。
松田陣平からのメールを受け取った佐藤美和子
まず1人目は、佐藤美和子です。
彼女は松田陣平が死の間際に送ったメールを、ずっと消せずにいました。
松田からのメールが消えないように、届いたメールは読んですぐ消すようにしていたという徹底ぶりです。
爆弾が爆発する直前、つまり死ぬ直前に
あんたの事 わりと好きだったぜ
というメールを送って亡くなってしまった松田。
彼は非常に頭のいい男でしたから、そんなメールを送ったら佐藤が苦しむことになるとわかっていたはずですが…。
それでもメールに書かずにいられなかった松田の心境を思うと、胸が締め付けられます。
佐藤は松田が亡くなってから3年間、ずっと松田のことが忘れられずに苦しんでいました。
しかしアニメ第304話・単行本36~37巻『揺れる警視庁 1200万人の人質』で、松田(と萩原)を殺した爆弾犯を逮捕。
松田のことを忘れさせてくれと高木刑事に泣きついたところで、高木刑事がこんな言葉をかけました。
引用:名探偵コナン 第37巻『バイバイ…』
この言葉で、佐藤刑事は松田のことを吹っ切ることができました。
ずっととっておいた松田からのメールを消去し、松田のことを忘れずに先へ進もうとする彼女の姿が描かれています。
松田からのメールを消去するまで3年かかった佐藤美和子。
彼女にとって、松田からのメールを消すことは心の整理をつけて前に進むことを意味していました。
宮野明美からのメールを受け取った赤井秀一
赤井秀一にも、消せないメールがありました。
メールの送り主は、宮野明美です。
引用:名探偵コナン 第58巻『赤井の過去』
宮野明美から受け取った最後のメールを、赤井秀一は感慨深そうに眺めていました。
このメール、赤井秀一は自分で消去していません。
しかし今でも大切にとってあるわけでもありません。
このメールが入っていた携帯電話は、来葉峠で楠田陸道の遺体と共に燃えてしまいました。
引用:名探偵コナン 第59巻『鋼の楔』
明美からのメールは、『P.S.』以降になんと書いてあったのか、いまだに明らかになっていません。
おそらくですが、『妹の志保を守ってほしい』というような内容だったのではないかと私は予想しています。
だからこそ、彼は沖矢昴として志保(灰原哀)を守ろうとしているのではないでしょうか。
この推測が正しければ、赤井は明美に託された彼女の最後の願いを、まだ遂行しきっていないことになります。
彼女の願いを叶えていないからこそ、赤井秀一は彼女からのメールを消すことができなかったのではないでしょうか。
赤井秀一の死を偽装するため、携帯を燃やさざるを得なかったわけですが…。
来葉峠での一件がなければ、彼は今でも明美からのメールを大切にし続けていたものと思われます。
赤井秀一にとって明美からのメールは、彼自身が取るべき行動の指針とも言えるものだったのではないでしょうか。
伊達航からのメールを受け取った安室透
いよいよ安室について考察します。
前の2人と違い、安室は恋愛感情を抱いていた異性ではなく、同性の同期からメールを受け取っていますので、厳密に比較することはできないのですが…。
伊達航は1年前に交通事故で亡くなっています。
つまり伊達が安室にメールを送ったのは、最低でも1年以上前ということになります。
安室は犯罪組織に潜入捜査中の身ですから、おいそれと外部の人間と連絡を取り合うわけにはいきません。
伊達からのメールにも返信はしていませんでしたが、メール自体はずっととっておいたんですよね。
アニメ第681~683話・単行本76~77巻『命を賭けた恋愛中継』で、安室は初めて伊達の死を知りました。
引用:名探偵コナン 第76巻『高木刑事からの贈り物』
この時、安室は『探偵たちの夜想曲』での一件の事情聴取のために警視庁を訪れていました。
別の用事もあったと言っていますが、「もう用は無くなった」とも言っています。
無事に用事を済ませることができたなら、「もう用は済んだ」と言うはず。
用事があったが果たすことができなかった、つまり伊達に接触するつもりだったが伊達が亡くなっていたために目的を遂行することができず、「用は無くなった」と言ったものと考えられます。
伊達の死を知ってから一か月後、安室は伊達の墓参りに訪れました。
余談ですが、安室が伊達の墓を訪れた話のサブタイトルは『遅くなった墓参り』です。
高木刑事と佐藤刑事が一ヵ月遅れで伊達の墓参りをしていることだけではなく、安室が伊達の死から一年以上経ってようやく墓参りをした、ということも指しているように思います。
伊達の墓参りを済ませたあと、安室は伊達からのメールを消去しています。
引用:名探偵コナン 第77巻『遅くなった墓参り』
伊達の死を知ってすぐではなく、墓参りを済ませてから消去しているのがポイントですね。
メールを消すまで何年もかかった佐藤美和子、結局メールを自分では消去していない赤井秀一と違い、安室はずいぶんあっさりと伊達からのメールを消去しているように見えます。
自分を心配してくれたにもかかわらず、返信することがかなわなかった伊達からのメール。
そのメールを消去することは、伊達への弔いでもあり、伊達の分まで警察官としての職務を全うしようという気構えの表れとも考えられます。
コナン本編で松田や萩原について安室が言及しているシーンがないので、判断材料が足りませんが…。
安室は亡くなった人物への未練をいつまでも引きずるタイプではなく、むしろたった一人で前に進むための糧にしているのではないでしょうか。
諸伏景光の死については、一見引きずっているように見えますが…。
安室が引きずっているのは彼の死そのものではなく、彼の自殺を止めなかった赤井秀一への怒りと恨みだと思われます。
安室透=降谷零の強い信念
ここで、安室透の信念について記しておきます。
劇場版『ゼロの執行人』において、安室は
僕の恋人は…この国さ
という名ゼリフを残しました。
安室は強い愛国心と正義の信念を抱えています。
そして、彼は公安警察の『ゼロ』です。
家族や友人に自分の仕事を話すことは許されていません。
諸伏景光も、兄である高明に「警察をやめて別の仕事に就いた」と嘘をついて音信不通になっていましたね。
組織に潜入しているNOCという立場から考えても、特定の誰かと親しくすることは非常にリスクが高い行為です。
安室が国を守るためには、どうしても孤独に動かざるを得ないのです。
仮に警察学校時代の同期たちが全員生きていたとしても、一緒に組織に潜入している景光以外とは音信不通になっていたはず(実際伊達とは連絡を絶っていましたし)。
つまり、安室は自ら望んで孤独に身を置いていると言っても過言ではないんですね。
守るべきもののためなら違法捜査も厭わないほどの強い信念を持っており、風見に人殺しと思われていても平気そうな安室のことですから、自らを孤独に追い込むことなど何とも思っていないのかもしれないですね。
さいごに
江戸川コナンと赤井秀一は安室の理解者になり得るか?
『ゼロの執行人』において、安室は
僕には僕以上に怖い男が2人いるんだ
と発言しています。
この2人というのは、江戸川コナンと赤井秀一のことですね。
安室が孤独に見えるのは、彼の頭の良さにも一因があります。
とにかく頭の回転が速すぎるので、常人では安室の思考回路についていけないんですよね。
その安室の思考回路にしっかりついていけるのが、江戸川コナンと赤井秀一です。
コナンは安室が違法捜査を行う公安であること、組織に潜入しているバーボンであることをやや警戒しています。
また、赤井秀一は安室透にスコッチの自殺の件で強く恨まれています。
今のところは安室と協力体制をとっていないコナンと赤井ですが…。
きちんと話し合って協力できるようになれば、この2人は安室透の理解者になれる可能性があります。
(安室がそれを望めば、の話ではありますが…)
また、現在のところ安室ときちんと顔を合わせて話していない諸伏高明警部も、非常に優秀な人材として描かれています。
彼は安室とは諸伏景光を通して繫がりがありますから、彼も安室の理解者になれる可能性はあるのではないかと思っています。
(赤井とのような因縁がない分、諸伏警部の方が安室と早く打ち解けられそうな気すらしますが…)
安室透=降谷零は、理解者を求めてはいない
青山先生は「安室は孤独なのがいい」と仰った後に、ファンからの要望が多かったという理由で風見を原作に逆輸入しました。
先生がファンや声優さんからの要望を取り入れるのは、ご自身が「面白そう」と思った時、そしてご自分の譲れない領域を犯さない設定である場合のみだと思っています。
つまり、青山先生は風見を原作に逆輸入しても、安室は孤独なままだと思っておられるのではないでしょうか?
風見がそばにいたところで、安室は結局孤独なままであり、風見は安室の理解者にはなり得ないのです。
コナン本編・ゼロの日常・劇場版のどれをとっても、安室は自分の理解者を求めているようには見えないんですよね。
彼が求めているのは、一貫して事態を解決に導くための協力者です。
自分の思い通りに動いて協力してくれればいい、自らを理解してもらう必要はないととらえているように思います。
彼はあえて周囲と距離をとり、意図的に孤独なポジションを作っている…そんな風に見受けられるのです。
孤独な男・安室透が、理解者と共に闘う日はくるのでしょうか?
孤独の中でひとり闘うのが彼の魅力ではありますが、彼を理解してくれる誰かと共闘する姿も見てみたいですね。
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