安室透と諸伏高明の共通点!組織に対する強力タッグとなりえるか?

2019年2月から3月にかけて少年サンデーに掲載された、名探偵コナンFILE.1027~1031のエピソード。
仮に長野の雪山編と呼んでおきますが、こちらのエピソードでは重要な事実が次々と明らかになりました。
中でも最重要と言える情報は、安室透(降谷零)と諸伏高明に面識があったということ。
更に黒田兵衛が電話で諸伏高明に接触を図ったことで、黒田兵衛のRUM疑惑はさらに薄くなり、公安の関係者である可能性がほぼ確定となりました。
妖精の唇(フェアリー・リップ)編でも安室透と諸伏高明の間にうっすらとした繫がりが示唆されていましたが、雪山編でいよいよ明確なつながりになったと言えます。
おそらく今後ますます複雑に関わり合うことになるであろう2人ですが、この2人の間にはいくつかの共通点があります。
この記事では、その共通点と、雪山編における2人の行動の意味についてまとめてみました。
安室透と諸伏高明は景光を介して面識があった
安室透と諸伏高明を語る上で、欠かせないのが諸伏景光(=スコッチ)の存在です。
景光はアニメ第836-837話、単行本88・89巻収録『仲の悪いガールズバンド』で初登場しました。
その時点で
- 故人であること
- 彼が安室と一緒に組織に潜入していた公安警察官だったこと
が明らかになっています。
その後アニメ第866-867話、単行本第90巻収録『裏切りのステージ』で、彼が死に至った状況が明らかになりました。
諸伏高明と景光は、もともと一部のファンの間で『顔が似ているのでは?』と話題になっていましたが…。
単行本第96巻収録『妖精の唇(フェアリー・リップ)編(仮)』で、景光の遺品であるスマホが諸伏高明の手元に渡り、兄弟であったことが判明しました。
『妖精の唇(フェアリー・リップ)編(仮)』における諸伏警部の回想で、幼少期の景光が兄にこう話しています。
ボク、東京で友達ができたよ!アダ名が「ゼロ」って言うんだ!
引用:名探偵コナン 第96巻『遺品』
この時点では、諸伏高明が安室透についてどれくらい把握しているのかは不明でした。
ですが雪山編で、諸伏高明が東都大学に入学したのち、東京で景光によって降谷零と引き合わされていたことが判明しました。
僕の親友の降谷零くん!僕や兄さんみたいに警察官を目指してるんだってさ!
引用:名探偵コナン FILE.1030『兄さんみたいに』
この時、諸伏高明はおそらく大学1年生。
降谷零と景光は中学1年生といったところでしょうか。
およそ17年ほど前に面識があったんですね。
登場キャラクター同士が実は過去に会っていた…という例は
- 工藤新一&毛利蘭とベルモット(工藤新一NYの事件)
- 毛利蘭と赤井秀一(工藤新一NYの事件)
- 工藤新一と服部平次(ゲレンデの推理対決)
- 工藤新一&毛利蘭と赤井一家(さざ波の魔法使い)
などがありますから、コナンの世界ではとりたてて珍しいことではありませんが…。
安室透と諸伏高明に面識があったこと・景光という存在を通じてつながっていたことで、今後2人が同じ目的に向かって行動を共にしていく可能性が出てきました。
安室透と諸伏高明の共通点
では次に、この2人の共通点を挙げていきます。
東都大学トップ・警察学校でトップという頭の良さ
まずこの2人に共通しているのは、抜群に頭がいいということです。
安室透の場合は、高木刑事が伊達航のセリフをこんな風に回想しています。
高木:警察学校の成績もトップだったって聞きましたよ?
伊達:バーカ!そいつはガセネタ、俺はいつも2番だったぜ…頭も体もアイツには一度も適わなかったからな…
引用:名探偵コナン 第77巻『最強の先輩』
一方、諸伏高明については上原由衣刑事がこう語っています。
東都大学法学部をトップで卒業したにもかかわらず、キャリア試験を受けずにノンキャリアとして県警本部に入ったんだけど
引用:名探偵コナン 第65巻『赤い壁』
警察学校でずっとトップの座にいた安室透。
彼は警察庁公安部のゼロ所属、しかも黒ずくめの組織に潜入し続けている優秀なNOCです。
一方、東都大学法学部を首席で卒業した諸伏高明。
彼もコナンが少しヒントを出すだけで事件を解いてしまう頭脳の持ち主なので、優秀なことは明白ですね。
ついでに、2人とも容姿が端麗だということも書き添えておきます。
安室透は園子や歩美ちゃんにイケメンだと言われていますし、ポアロのJKにも大人気という設定。
諸伏警部は青山先生が『ヒゲがないとただのイケメン』と仰っていますので、美形であるという前提で描かれていることは間違いないでしょう。
特定の人物に対する執着心
普段は冷静沈着に見える2人ですが、特定の人物に対して非常に強い執着心を持っているという共通点も持っています。
諸伏高明→大和敢助
初登場時、諸伏警部は長野県警本部ではなく新野署の刑事という立場でした。
それは、ある事件を追っている最中に雪崩に遭い、行方不明になった大和警部を単独捜索したためでした。
その時のことについて、上原刑事がこう語っています。
あの時、敢ちゃんから何日も連絡がなくて死んだと思ってたけど…
諸伏警部は上司の命令を無視して単独で他県まで足を運び、かなり強引な捜査で敢ちゃんが追ってた被疑者を確保し、雪崩に遭ったことを聞き出して病院で敢ちゃんを見つけたのよ!
引用:名探偵コナン 第65巻『死せる孔明』
この責任を負って、諸伏警部は所轄に異動させられてしまったんですね。
その後自力であっさり県警本部に復帰しているのが、諸伏警部のすごいところですが…。
上原刑事すら大和警部が死んだと思っていたのに、それを信じずたった一人で捜査を続けた諸伏警部!
おそらく左遷させられることも覚悟の上だったでしょう。
諸伏警部と大和警部は小学校からの同級生で、何かにつけて競い合っていたライバル。
早くに両親を亡くし、6歳年下の弟とも離れ離れで育った諸伏高明にとって、子どもの頃からの親友である大和敢助を失うことは耐え難いことだったと思われます。
それにしてもわざわざ他県まで足を運んで単独で捜査を続けた執念はすごいですよね。
安室透→赤井秀一
キールが来葉峠で赤井秀一を殺害(もちろん偽装)した時、あのジンでさえもそれを信じ込みました。
ですがバーボンだけはそれを信じず、ベルモットに頼んで赤井秀一の変装までさせてもらい、執拗に赤井の周辺人物を探っていました。
ほぼノーヒントの状態から、その執念と推理力で赤井秀一が生存していることを突き止めた頭脳はまさに圧倒的。
死んだはずの男の死を疑い続けるというのは、並大抵の精神状態ではできないですよね。
安室透の場合、赤井秀一を執念深く追い続けた理由は諸伏警部とは違って『憎しみ』ですが…。
負の感情であれ、どんな些細な手掛かりでも見逃さずに「赤井秀一をよみがえらせた」執念は見事の一言に尽きます。
余談ですが、緋色シリーズは実質
という図式でした。
結果的にコナンたちの勝利という形になりましたが、4人がかりでようやく安室透を撃退できたということなんですよね。
ここからも、安室透の能力の高さをうかがい知ることができます。
普段は冷静沈着だが、特定の条件下で冷静さを失う
とても優秀な2人ではあるのですが、人間らしい?弱点も持ち合わせています。
それは、ある状況下においては冷静さを失ってしまうことです。
諸伏警部は大和警部を探していた時や『死亡の館、赤い壁』で描かれていたように、親しい人物が事件に巻き込まれた時は強引で無茶な捜査に及んでしまう傾向があります。
そして安室透の弱点は、言わずもがな赤井秀一です。
こちらは作中で名言されていませんが、インタビューで青山先生がこう語っています。
赤井がいなきゃ、安室がナンバーワンなのにな(笑)
安室はなんでも赤井より上手いと思うよ。
でも、赤井に勝てない。
引用:名探偵コナン 安室透/バーボン/降谷零 シークレットアーカイブスPLUS 『青山剛昌スペシャルインタビュー』
劇場版『純黒の悪夢』などを見ると、赤井を前にした時だけ安室が冷静さを失ってしまうのがよくわかりますよね。
雪山編におけるニアミスの意味
ここからは、雪山編での2人の行動をクローズアップしていきます。
安室透は諸伏高明に自分の存在を認識させた
雪山編をリアルタイムで読んだ時、大きな違和を感じたのが安室透の行動です。
引用:サンデー13号 名探偵コナン FILE.1029『泣く子も眠る』
小五郎が事件現場を動画に撮り、長野県警に送った時のこと。
上記の画像を見てわかる通り、安室透が映り込んでいます。
公安の警察官であり、黒ずくめの組織に潜入している安室透が、そう簡単に動画を撮らせたりするでしょうか?
彼はうかつに写真や動画を残すことができない立場のはずです。
そう考えると、雪山編ではうっかり動画に写ってしまったのではなく、意図的に映り込んだものと考えられます。
その目的はもちろん、諸伏高明に自分の存在をアピールすること。
安室透の思惑通り、諸伏高明は動画を見て
この後ろの金髪の男…以前どこかで…
引用:サンデー13号 名探偵コナン FILE.1029『泣く子も眠る』
景光が連れてきた友人が…零…ゼロ!?
引用:サンデー14号 名探偵コナン FILE.1030『兄さんみたいに』
と、降谷零に会った時のことを思い出しています。
なぜ安室透はわざわざそんなことをしたのでしょうか。
それは諸伏高明の口から自分の正体がバレるのを防ぐためです。
コナンはともかく、毛利小五郎や脇田兼則の前で『以前どこかで会ったような…降谷零くんでしたね』なんて話しかけられでもしたら、安室透の正体がバレてしまいます。
それを防ぐためにあえて事前に姿を見せておき、自分のことを思い出させたわけです。
ですが、思い出させただけでは、小五郎たちの前で降谷零と呼ばないでほしいと伝えることはできません。
そこで安室の代わりに動いたのが、黒田兵衛です。
黒田兵衛が諸伏高明に電話した意味
ちょうど諸伏高明が降谷零のことを思い出したタイミングで、黒田兵衛から大和敢助宛に電話が入りました。
と言っても、大和警部に用事があったわけではありません。
諸伏に代わってくれ…聞きたい事がある…
引用:サンデー14号 名探偵コナン FILE.1030『兄さんみたいに』
この時、2人が電話で何を話したのかは描かれていませんが…。
安室透と諸伏警部が顔を合わせた時の反応を見るに、このタイミングで黒田兵衛が何かを行ったとしか思えません。
何を行ったか…そう、諸伏高明に対する口止めです。
おそらく『降谷零に会っても初対面のフリをしろ』などと指示をしたのではないでしょうか。
この辺りはこちらの記事で詳しく掘り下げています。
安室透と諸伏高明が対面した時の2人の反応
廃教会へ続くトンネルが通れるようになり、長野県警が現場へ到着。
そこでようやく諸伏高明と安室透は顔を合わせました。
この時の2人の反応が、顔見知りに対する反応とは思えないのです。
諸伏警部は安室透本人には一切声をかけず、小五郎に対して
そちらのお2人は?
引用:サンデー15号 名探偵コナン FILE.1031『ヤバイ感じが』
と尋ねています。
この2人というのは、安室透と脇田兼則のことです。
安室透とは初対面ですよ、ということをアピールしていますよね。
一方安室透はというと…。
ちゃお5月号に付録としてついていたプロフカードに、『久しぶりに親友の兄に会った』と書かれていました。
つまり安室透は諸伏警部が景光の兄であることを正しく認識していたわけです。
にもかかわらずポーカーフェイスを貫き、決して話しかけようとはしませんでした。
これは小五郎や脇田兼則に、安室と諸伏警部の間につながりがあることを知られないようにするためですよね。
ここで初めて顔を合わせ、これまで連絡する手段すらなかった2人ですから、事前に『お互い知らんふりしよう』というすり合わせをすることはできません。
この状況を作り出せたのは、間に黒田兵衛が入ったからだとわかりますね。
結果的に安室透の正体は小五郎や脇田兼則に露見することなく、2人の顔合わせは無事終了しました。
この2人が顔を合わせたこと、お互いの存在とおかれた状況を認識したことは、今後のストーリーに大きな影響を及ぼすと思われます。
さいごに
黒田兵衛は諸伏高明に口止めをしただけではなく、組織のことや景光のこと、RUMのことまで話をした可能性があります。
つまり今後、諸伏高明は公安の一員もしくは協力者として安室透と共闘する可能性が出てきました。
警察庁に引き抜かれるか、長野県警から安室や黒田をバックアップする後方支援要員なのかなと思います。
これまでに挙げた通り、安室透と諸伏高明は性格が似通った人物として描かれています。
また、景光を失ったという共通点もありますから、黒ずくめの組織を潰して景光の敵討ちをするという目標を共有できる存在でもあります。
この2人が協力し合えるようになったら、対組織戦において大変大きな戦力になると思うのですが、いかがでしょうか。
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